LUXMAN L-550X
¥269,000(1983年12月発売)
解説
一段増幅アンプを搭載したL-500シリーズをベースに、アース回路の純化と入力系の充実を目指してオーバーオールな改善を図ったL-500Xシリーズのプリメインアンプ。
L-550Xには、バイアス電流を固定するA級動作方式を採用しており、さらに、アンプの裸特性を飛躍的に改善した一段増幅を採用しています。
この一段増幅は、裸特性の優れた増幅素子の採用などにより、一段で多段増幅と同等のゲインを取り出す回路で、さらに出力段を独立させることで初段の影響を排した上で2段目を取り払っています。これにより、電源ノイズの悪影響、スタガーの高域補正によるスルーレイトの悪化などの問題を改善しています。
また、イコライザ部とパワー部を対称差動プッシュプルとし、その入力をアースに設置することで増幅回路を安定化しています。
アース電位が微妙に変動することによって、音楽信号同士の干渉を引き起こす問題に対処するため、アース回路の純化を図っています。
まず、アンプ内部から変動要因となっていた電源基準増幅を追放し、全てクリーンなアース基準型の増幅回路で構成し、その上で個々の増幅系ごとに入出力の電流ループを見直し、分離結合してそれぞれの増幅系を独立化しています。さらに、アース回路のパターンに工夫を施し、基準電位を固定しています。
MCカートリッジに対応するため、ヘッドアンプを搭載しています。
ヘッドアンプの入力部にはS/Nの点でFETに勝るローノイズ・トランジスタを採用し、出力部にはリニアリティの優れたハイスピード・トランジスタを搭載しています。
電源部のブロックコンデンサにはピュアフォーカスコンデンサを採用しています。
リニアイコライザを搭載しており、高音域に向かって上昇あるいは下降しがちなアナログディスクなどの録音周波数を調整することができます。また、リスニングルームの音場特性を補正することも可能です。
トーンコントロール部は高低音域とも9つのターンオーバーの選択が可能です。
シャーシの要所に銅メッキを施す事で電磁歪を排除しています。
機種の定格
型式 | インテグレーテッドアンプ |
連続実効出力 | 50W+50W(8Ω、両ch同時駆動、20Hz~20kHz) |
全高調波歪率 | 0.008%以下(8Ω、-3dB、20Hz~20kHz) |
混変調歪率 | 0.008%以下(8Ω、-3dB、60Hz:7kHz=4:1) |
入力感度 | Phono MM:2mV Phono MC:90μV(イコライザ部へダイレクト) Tuner、DAD、Line:150mV main in:150mV |
入力インピーダンス | Phono MM:100Ω、50kΩ、100kΩ Phono MC:40Ω、100Ω、300Ω Tuner、DAD、Line:40kΩ main in:47kΩ |
SN比(IHF-A補正) | Phono MM:86dB以上(5mV入力) Phono MC:80dB以上(250μV入力) Tuner、DAD、Line:105dB以上(入力ショート) main in:105dB以上 |
周波数特性 | Phono MM:20Hz~20kHz ±0.2dB以内 Phono MC:20Hz~20kHz ±0.2dB以内 Tuner、DAD、Line:10Hz~100kHz -1dB以内 main in:10Hz~100kHz -1dB以内 |
トーンコントロール | 最大変化量:±9dB 低域湾曲点:55Hz、77Hz、110Hz、155Hz、220Hz、310Hz、440Hz、620Hz、880Hz 高域湾曲点:620Hz、880Hz、1.2kHz、1.7kHz、2.5kHz、3.5kHz、5kHz、7kHz、10kHz |
プリ部出力 | pre out:150mV |
付属装置 | ラインフェーズ・センサ サブソニックフィルタ(15Hz) ハイカットフィルタ(9kHz) プリ・ヒーティング・スイッチ ウォームアップインジケーター フォノ・ストレートスイッチ シグナルoffスイッチ リニア・イコライザ トーン・イン・スイッチ レコーディングスイッチ テープモニタ・スイッチ テープ・ダビング スピーカーセレクタ Lineフロントジャック ヘッドホンジャック プリメイン分離機能 |
ACアウトレット | switched:3系統、max300W unswitched:1系統、max200W |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 310W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅453x高さ174x奥行470mm |
重量 | 20.0kg |