オーディオの足跡

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L-509sの画像
 解説 

ラックスマンの持つ技術を投入しつつコストパフォーマンスを高めたプリメインアンプ。

アンプ部にはCSSC(Complementary Single Stagger Circuit)回路を採用しています。
この回路は回路的に大きく区分して3つのパートに分かれており、入力側からコンプリメンタリー構成の差動増幅部、2段目に電流伝送段、最終段の出力回路で構成されています。差動増幅部ではアンプ回路の本来のゲインを稼いでいます。そして電流伝送段は高周波回路などでfT(遮断周波数)の高い伝送が必要となる部分に応用されているトランジスタによるベース接地回路を採用しています。最終段は出力回路で、コントロールアンプではインピーダンス変換、パワーアンプでは電力増幅を行なっています。
一般的なアンプでは1段目と2段目で増幅機能を確保するタイプが多く、1段目と2段目のカットオフ周波数が近似値になるためトータルの特性としては超高域での位相のズレが大きく発生することになります。このためNFBを用いて出力からのアナログ情報を位相を逆にして入力に戻す構造となっており、これによって電気的な諸特性を改善しています。しかし、出力位相のズレが大きく発生するとフィードバックがポジティブに近くなり、正帰還発振もしくはそれに準じた不安定な状態が生まれます。これを回避するためにい相補性として別のローカル帰還ループなどを用いていますが、この高域補正ループそのものが音質に大きく影響を与えることとなり、音の自然感を失う原因となっていmした。
CSSC回路では、2段目のベース接地タイプ電流伝送段では高域におけるカットオフ周波数が極めて高いため、1段目の差動増幅部の周波数特性がほぼCSSC全体を支配すると言っても良く、わずかな最小限度の補正で安定動作を確保でき、ハイスルーレイトを実現しています。

ラックス独自のODβ回路を搭載しています。
ODβ回路はアンプのβ回路(NFB)にラックス独自の工夫を加えたものです。一般的なアンプではNFBは直流域と交流域で別帰還としていますが、直流領域における安定性を確保するためにDCサーボアンプなどを帰還ループに挿入することで、AC領域とのバランスの違いが引き起こされていました。ODβ回路では回路の裸特性を高度に練り上げることでDCサーボアンプ等を組み込むことなく、ベーシックなDC帰還のみで優れた直流安定性を確保しています。また、交流域のNFBについても最適化が図られ、全帯域のエネルギーバランスを整えるとともにあらゆる周波数帯域で音色の統一感を実現しています。

パワーアンプ部は出力段を3段ダーリントン構成としており、低内部インピーダンス、大電流、高fTタイプのパワートランジスタ(Pc150W、Ic(max)15A)を用いたコンプリメンタリー回路を採用しています。
また、熱放射特性を確保しつつ余分な鳴きを抑えた形状を採用した大型ヒートシンクや、高耐圧トランジスタ、差動増幅用デュアルトランジスタなどのパーツを使用することで安定度を高めています。

電源部には高効率大型EIコアパワートランスと瞬時充放電特性に優れた大容量コンデンサーを採用しています。
また、徹底した低インピーダンス化設計によって音楽のフェイズと一致した供給を可能にしています。

スピーカーターミナルには独自の素材で作られた万力型スクリュータイプのものを採用しており、ケーブルをしっかりと固定できます。
この端子はバナナプラグにも対応しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。このリモコンでは電源のON/OFFや入力セレクト、音量調節、ミューティングON/OFFといった基本的な機能が操作できます。
ボリュームと入力セレクターにはモータードライブ方式を採用しています。また、入力セレクターにはクラッチ機構を設け、手動ではクリック感を与え操作性を向上するとともに、リモコン操作時には滑らかに動く操作性を実現しています。

バスライン端子を搭載しており、LUXMAN製CDプレイヤーとリモコン操作を連動させることができます。

内部レイアウトは不要振動とノイズ対策に配慮した設計となっており、全体を左右対称の構造とすることで重量バランスを保ち、極めて高き安定度を確保しながら各セクションを最も干渉が少ない配置にレイアウトしています。そうした上でシールド板によるボックス遮断構造を採用することで、徹底して高周波ノイズや漏洩フラックスを排除しています。

アルミ製のフロントパネルは梨地仕上げの特殊加工が施されています。これを光沢感のある木箱のフィニッシュと組み合わせることで高級感を得ています。

フロントパネルにはパワーメーターを搭載しています。
このメーターは対数圧縮方式を採用するとともに、配色にこだわることで独自の雰囲気を実現しています。

内部回路にはL-509s用に設計されたカスタムメイドパーツを採用しています。

トーンコントロールをはじめ、ラウドネスやサブソニックフィルター、バランスコントロール、レコーディングセレクター、モードセレクターなどの機能を搭載しています。
また、ラインストレート機能を搭載しており、使用しない回路(トーンコントロール/モードセレクター/左右バランス)をバイパスすることで純度の高い音質が得られます。

ヘッドホン端子には専用のリレー接点を持たせ、スピーカー端子への影響を排除しています。

インバーテッドスイッチを搭載しており、バランスライン入力の位相を反転させることができます。

ラインフェーズセンサーを搭載しており、電源プラグの差込時の極性が確認できます。

カスタムタイプの電源ケーブルとACインレットを採用しています。

LUXMANのCDプレイヤーなどのリモコン操作を連携するバスラインを装備しています。

機種の定格
型式 インテグレーテッド・アンプ
連続実効出力 240W+240W(4Ω)
160W+160W(8Ω)
全高調波歪率 0.005%以下(8Ω、1kHz、両ch動作、Line Straight on)
0.03%以下(8Ω、20Hz~20kHz、Line Straight on)
入力感度/インピーダンス Phono MM:2.5mV/47kΩ
Phono MC:0.3mV/100Ω
Line:150mV/47kΩ
Recorder:150mV/47kΩ
Bal.Line/CD:150mV/66kΩ
Main in:1V/80kΩ
出力電圧 Recorder:150mV
Pre out:1V
S/N比(IHF-A補正、Line Straight on) Phono MM:91dB以上(5mV入力)
Phono MC:75db以上(0.5mV入力)
Line:107dB以上(入力ショート)
周波数特性(Line Straight on) Phono MM:20Hz~20kHz ±0.5dB
Phono MC:20Hz~20kHz ±0.5dB
Line:20Hz~100kHz -2dB以内
トーンコントロール Bass:±10dB(100Hz)、クロスオーバー300Hz
Treble:±10dB(10kHz)、クロスオーバー3kHz
ラウドネスコントロール 100Hz:+7dB(±1dB)
10kHz:+5dB(±1dB)
付属装置 パワーメーター
ヘッドホンジャック
レコーディングセレクター
スピーカーセレクター
モードセレクター
トーンコントロール
バランス
ラインストレートスイッチ
サブソニック
ラウドネス
フェイズインバーター
ラインフェイズセンサー
リモートコントロール
ACアウトレット unswitched:2系統、Total300Wmax
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 275W(電気用品取締法)
外形寸法 幅467x高さ179x奥行440mm
重量 22kg
付属 ワイヤレスリモコン