LUXMAN L-5/L-5B
¥89,800(1978年9月発売)
解説
性能面、機構面、機能面、意匠面などあらゆる面のクオリティを追及して開発されたプリメインアンプ。
パワーアンプ部は過渡応答を悪化させる原因のひとつであるNFBループ内の時定数回路を取り去ったDCアンプ構成を採用しています。また、電源電圧や温度など外部条件の変動に対するドリフトの問題については、各主要ポイントごとに電気的および機構的な工夫を施し、無視できるレベルに抑えています。
パワートランジスタには耐破壊強度が高く、かつ高域遮断周波数の高いものを厳選し、ドライバートランジスタにはEBT(エミッターバラスとトランジスタ)を採用しています。さらに、プリドライバー段を定電圧、定電流駆動することによりノッチング歪の少ない安定した高域特性を実現しています。
プリアンプ部には、3段直結イコライザー回路、2段直結フラットアンプ回路、2段直結トーンアンプ回路を採用しています。
さらに、より一層の低歪率化と高SN比化を図るため、回路を根本的に見直し、使用トランジスタには直線領域が広く、高域遮断周波数が高くかつコレクター出力容量の少ない超ローノイズ型を厳選使用するとともに、マイナス電源で駆動し、さらに各回路に日確定多くの電流を流し、ローインピーダンス化を図っています。
電源部には大型トロイダル電源トランスを採用してます。
また、プリアンプ部、プリドライブ段、パワー段を別系統化し、電源の効率を高め、歪率特性の向上を図っています。
各入力端子からアンプ回路までの最短距離化と、シールド線の排除を積極的に進め、性能の向上を図るために、あえて入力端子板を底部に設けています。
トーンコントロールにはLUX方式NF型を採用しており、さらに湾曲点周波数切替えを高域用、低域ようとも2つポイントづつ設けてあります。このトーンコントロールはディフィートも可能です。
他にも、サブソニックフィルター、ローカットフィルター、ハイカットフィルターなどのフィルター回路や、モニター&ダビング機能、スピーカーセレクター、ラウドネスコントロール、-20dBオーディオアッテネーターなどを搭載しています。
プリアンプ部とパワーアンプ部の分離使用が可能です。
L-5にはシルバータイプのL-5とブラックタイプのL-5Bの2種類がありました。
機種の定格
型式 | インテグレーテッド・アンプ |
連続実効出力(両ch動作) | 60W+60W(8Ω、20Hz~20kHz) |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.02%以下(8Ω、60W) |
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | 0.02%以下(8Ω、60W) |
出力帯域幅 | 10Hz~80kHz -3dB(8Ω、0.05%) |
周波数特性 | Phono1、2:20Hz~20kHz ±0.4dB以内 Tuner、Aux、Monitor1、2:10Hz~100kHz -1dB以内 Main in:10Hz~100kHz -1dB以内 |
入力感度/インピーダンス | Phono1、2:2.5mV/50kΩ Tuner、Aux、Monitor1、2:150mV/50kΩ Main in:1.25V/50kΩ |
SN比(IHF-A補正、 入力ショート) |
Phono1、2:80dB以上 Tuner、Aux、Monitor1、2:100dB以上 Main in:100dB |
ダンピングファクター | 70(8Ω負荷、1kHz) |
トーンコントロール | LUX方式NF型湾曲点周波数切替付(defeat可能) 低域湾曲点:200Hz、400Hz 高域湾曲点:2kHz、4kHz |
フィルター | サブソニック:15Hz、-6dB/oct ローカット:70Hz、-6dB/oct ハイカット:7kHz、-6dB/oct |
付属装置 | DC検出によるスピーカー保護回路 過電流防止回路 オーディオ・アッテネーター(-20dB) テープモニター&テープダビング回路 Rec outオフ・スイッチ タイム・ミューティング回路&インジケーター ヘッドホンジャック |
ACアウトレット | 電源スイッチ連動:1系統 電源スイッチ非連動:1系統 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 170W |
外形寸法 | 幅438x高さ105x奥行313mm |
重量 | 9.5kg |