LUXMAN HQ34
¥48,000(1963年9月発売)
解説
バリアブルクロスオーバーMFBを搭載したステレオトライアンプ。
HQ34はHQ33にバリアブル・クロスオーバーMFBを追加した構成となっています。
HQ34にはラックスマン独自のバリアブル・クロスオーバーMFB回路を搭載しており、ツマミとスイッチでスピーカーの重低音の再生能力を調節することで通常のアンプより1オクターブ低い低音再生が可能となっています。
MFBでは密閉方式のスピーカーを使用します。また、MFBは背面のスイッチで通常のNFB方式に切換えることが出来ます。
操作部には4ブロック14個のプッシュボタンを用いたワンタッチシステムを採用しており、オールプッシュボタンとすることで操作性の向上を図っています。
チューナー部は特にFMチューナーの音質を重視して設計されています。
また、自動的に最適な同調点を調節するAFC回路が組み込まれており、時間経過による同調ズレを防いでいます。さらにステレオ放送への対応を図るため、FM-マルチプレックス端子を背面に搭載しています。
トーンコントロールにはSQ5BやSQ63にも採用されたNF型LUXトーンコントロールを搭載しています。
トーンコントロールやイコライザーなどのプリアンプ部には深いNF回路を設けており、歪率の低減を図っています。
真空管は直流点火方式を採用しており、ハムを排除しています。
音量調節は左右チャンネルを別々に調整する方式を採用しています。
フロントパネルの中央には出力メーターを装備しており、出力を確認しながら調整できます。
このメーターは切換スイッチによってチューナーの同調指示メーターとしても動作するように設計されてます。
外装ケースは一般によく使われる塗装仕上げではなく、アートボンドを用いたデザインとなっています。
アートボンドはアメリカUSラバー社が開発した塩化ビニールと金属の積層板です。
機種の定格
型式 | レシーバー | |||
<アンプ部> | ||||
出力 | 10W+10W | |||
全高調波歪率 | 1%以下 | |||
周波数特性 | 40Hz~20kHz -2dB | |||
出力インピーダンス | 8Ω、16Ω | |||
入力感度(出力10W、1kHz) | Phono:4mV Aux、MPX in、Tape rec:120mV |
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S/N比 | Phono:50dB以上 Aux:60dB以上 |
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イコライザー | RIAA、NF型 | |||
トーンコントロール | NF型 Bass:±10dB(100Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
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ランブルフィルター | 100Hz:-2dB 50Hz:-8dB |
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スクラッチフィルター | 6kHz:-2dB 12kHz:-8dB |
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MFB回路 | 12dB-低域延長1オクターブ | |||
<チューナー部> | ||||
チャンネル | 左側チャンネル(MW/SW) | 右側チャンネル(MW/FM) | ||
受信チャンネル | MW:535kHz~1,605kHz SW:3.8MHz~12MHz |
MW:535kHz~1,605kHz FM:76MHz~90MHz |
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中間周波数 | AM:10kHz | FM:200kHz以上 | ||
実用感度 | MW:35dB SW:48dB |
MW:35dB FM:30dB |
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同調指示 | メーターMW/SW共用 | メーターMW/FM共用 | ||
<総合> | ||||
使用真空管等 |
ゲルマニウムダイオード:OA72x7 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | |||
消費電力 | 120W(最大信号時) | |||
外形寸法 | 幅475x高さ125x奥行260mm | |||
重量 | 14kg |