LUXMAN CL35II
¥98,000(1972年5月発売)
¥138,000(1974年頃)
解説
改良に改良を重ねて完成度を高めた管球式コントロールアンプ。
イコライザ回路には3極管を3段構成で用いたマランツ型と呼ばれるK-K・NF方式を採用しています。
CL35IIでは1kHzにおける耐入力電圧は400mVを確保し、2kHz以上の高音域の耐入力特性に着目してこれを改善しています。
中間アンプ部やトーンコントロール段、カソードフォロア段の常用レベル(出力100~300mV)における2次/3次の高調波歪を減少させるよう各段を分析し、リニアリティ確保を図っています。
出力段にはカソードフォロアを採用しています。
CL35IIでは独自の方法で電源電圧の変動に対して出力電圧がふらつかない安定な回路を採用しています。
電源部にも注意が払われており、イコライザ段への給電方式の改良や外来ショックノイズの混入の低下を実現しています。
トーンコントロールにはLUX方式のNF型を採用しており、湾曲点を高低各3点ずつ切換えることで微細な音質調整が可能です。
また、トーンコントロールを使用しない場合にはディフィートスイッチで飛ばすことも可能です。
ハイフィルターとローフィルターを搭載しています。
ローフリークエンシートリマーを搭載しており、スピーカーや部屋などの影響が著しく現れる150Hz~300Hzの帯域を中心とした周波数特性を微妙に調整することができます。
この回路はイコライザ回路を出た後に設けられており、録音用出力には影響を与えません。
アッテネーターを搭載しています。
ヘッドホンアンプを内蔵しています。
補助入力端子にはレベルセットが設けられています。
昇圧トランス挿入ソケットをリアパネルに設けており、MCカートリッジ用の昇圧トランスを接続できます。
機種の定格
型式 | 管球式コントロールアンプ |
周波数特性 | 15Hz~40kHz -1dB |
全高調波歪率 | 0.06%以下(出力2V) |
出力電圧 | 最大15V(歪率0.3%) |
出力インピーダンス | 550Ω |
入力感度(出力1V、 レベルセット最大) |
Phono1、2:1.2mV Aux1、3:120mV(可変) Aux2:120mV Mic:0.5mV |
入力インピーダンス | Phono1:100kΩ、50kΩ、30kΩ Phono2:50kΩ Aux1、3:100kΩ Aux2:150kΩ Mic:50kΩ |
SN比 | Phono:64dB以上 Aux:77dB以上 Mic:60dB以上 |
イコライザ | RIAA(標準偏差±0.3dB) |
トーンコントロール | LUX方式NF型(defeat可) 低域湾曲点:150Hz、300Hz、600Hz 高域湾曲点:1.5kHz、3kHz、6kHz |
ローフィルター | 25Hz/60Hz、-12dB/oct |
ハイフィルター | 7kHz/12kHz、-12dB/oct |
ローフリケンシートリマー | 100~300Hz(±0.8dB、250Hz) |
アッテネーター | -20dB |
付属装置 | テープモニター回路 テープダビング回路 昇圧トランス用ソケット |
使用真空管 | 12AX7x6本 12AU7x1本 |
外形寸法 | 幅476x高さ190x奥行275mm |
重量 | 12kg |