Lo-D D-9
¥110,000(1983年発売)
解説
ATRSシステムやドルビーCを搭載した3ヘッドカセットデッキ。
ヘッド部にはヒタセンライトR&Pヘッドを採用しています。
このヘッドは従来は技術的制約から不可能とされたセンダストとフェライトの同時加工を行ったもので、録音ヘッドにセンダストコア、再生ヘッドにフェライトコアを用いた構造となっています。これによりMMLを2.5dB、10kHzのMOLを1.5dB改善しています。
また、1.4mmクロースギャップ構造やチタン溶射表面仕上はそのままとなっています。
ATRS(自動周波数特性補正)システムを搭載しており、約10秒で使用するテープ一巻ごとに最適バイアスと最適録音感度、最適補償量をコンピュータが自動検出して録音回路をコントロールします。
これにより市販されている殆どのテープに対して平坦な周波数特性を獲得しています。さらに4つのテープテストデータの保存機能(電源OFF時は電池でバックアップ)を搭載しています。
リーダーテープ部早送り再ATRSテスト機構を搭載しています。また、タイマー録音時はATRSとマニュアルどちらでも選択できるよう設計されています。
ATRS解除時にはマニュアルによる録音音質調整が可能となっています。
D.C.C.S(ドルビー・キャリブレーション・コントロール・システム)で録音感度を調整し、さらにEQアジャストでホワイトノイズの発信音の変化を聴きながら録音イコライザーアンプの周波数特性を調整できます。
原理的にコッキング要因の無い新開発の3相ユニトルクDDレッドモーターを採用しています。
このモーターでは8極に着磁された駆動用ドーナツ型マグネットと電気的に120゜ずつずらした6枚の分割3相コイルから発生するトルクが相互に補完しあうことで絶えず一定したトルク総量を生み出しています
さらに真円度、真直度ともに0.1μmの高精度キャプスタンシャフトによってなめらかな定速回転を実現しています。
メカニズム部にはデュアルキャプスタン方式及び2モーターメカニズムを採用しています。
テープの巻取り側と繰り出し側それぞれにキャプスタンとピンチローラーを配してテープの供給と巻取り側を遮断し、テープをしっかりとホールドしています。
モーター保持部シャーシにはV.C.Metal(バイブレーション・カット・メタル)を採用しており、共振を抑えることで音の濁りの原因となるフラッター成分を追放しています。
カセットドア下方にヘッド清掃用のヘッドメンテナンス専用ドアを装備しています。
テープ走行経過時間を分秒表示するElapsed Time機能を搭載しています。
リモコン端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
ヘッド | 録再:ヒタセンライトR&Pコンビネーションヘッドx1 消去:フェライトガードダブルギャップ消去ヘッドx1 |
モーター | ユニトルクDD REDモーターx1 DCモーターx1 |
ワウ・フラッター | 0.023%(WRMS) ±0.05%(W・Peak) |
周波数特性 | 20Hz~21kHz/30Hz~20kHz ±3dB(メタル) 20Hz~20kHz/30Hz~19kHz ±3dB(クロム) 20Hz~19kHz/30Hz~18kHz ±3dB(ノーマル) |
SN比(メタルテープ、3%歪レベル聴感補正) | 75dB(Dolby C NR on) 69dB(Dolby B NR on) 61dB(Dolby NR on) 57dB(Dolby off) |
入力感度/インピーダンス | Line in:100mV/50kΩ以上 Mic:0.4mV/300Ω~5kΩ(適合) |
出力インピーダンス(負荷) | Line out:50kΩ以上 Headphone:8Ω~2kΩ |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 30W |
外形寸法 | 幅435x高さ115x奥行282mm |
重量 | 6.3kg |