KRELL DT-10
¥1,600,000(1994年頃)
解説
ドロワースライド型のフロントローディング方式を採用したCDトランスポート。
メカニズムにはフィリップス製ピックアップメカニズムであるCDM-4プロを採用しています。
このメカニズムでは、支点の安定したダイキャスト製スイングアームレーザーや光学的に優れたガラスレンズ、ディスクとの平行を維持するパンタグラフフォーカス機構をサスペンションを施した真鍮フレームにマウントし、万全の振動対策を行っています。
さらに、メカの性能をフルに引き出すためドライブICにはクレル独自のソフトウェアを使用しており、きめ細かなピックアップ動作を可能にしています。
DACへ信号を伝送する際のジッター発生を防ぐためAT&Tタイムシンククロックを採用しています。
DT-10では11.289MHzというハイレートマスタークロック信号を2.8MHzに分割することで精度を高め、AT&T
STタイムシンクケーブルによって音楽信号とは分割して伝送し、直接DACを起動しています。伝送にはバンド幅が広く、ハイスピードクロック信号に適した50メガビットのAT&T
OTLシリーズIIの変換による光シグナルで高精度に行っているため、ジッター発生の原因が排除されています。
トップローディング方式と同等の精度を持つフロントローディング方式としてドロワースライド型フロントローディングシステムを採用しています。
DT-10ではアルミ削り出しの強固なドロワーをCDM-4と一体化し、このドロワー自体をテフロン加工の高精度リニア・ベアリングと高トルクのステッパーモーターでスライドさせてローディングを行っています。これによりローディング部のカバーを省き、省スペース化を実現しています。
内部に取り込まれたCDを自動でクランプするオートディスククランプシステムを採用しています。
この方式ではトレース能力に影響を与えないよう磁場をシャープにコントロールしたネオジウムマグネットのスタビライザーによってモーターに余分な負荷をかけずにCDを回転軸と垂直に固定しています。これによりディスクの正確な回転を可能にしています。
回路基板には4層ガラスエポキシ基板を採用しており、DCとグランドを三次元的に最短距離で各パーツと結合することで電流干渉を排除し、伝送効率を高めています。
また、これにより大容量の電源部からのスムースな電源供給も可能となっています。
CDコントロールを記憶するDMS機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDトランスポート |
メカニズム | フィリップス CDM-4プロ |
レーザーピックアップ | シングルビーム、スイングアーム、ガラスレンズ |
デジタル出力 | コアキシャル(RCA) TOSリンク AT&T(ST) AES/EBU(XLR) TIME SYNC(ST) |
外形寸法 | 幅483x高さ93x奥行385mm |
重量 | 15.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |