KRELL KMA-200
¥2,500,000(2台1組、1982年発売)
解説
クレルの設計思想はそのままで、さらなる出力増大を図ったモノラルパワーアンプ。
パワーアンプ部はピュアAクラス動作としており、ハイパワーを求めつつも音の純度を大切にしています。
回路構成はピュアコンプリメンタリー回路を採用しており、NFBを15dB以下に抑えることで音の躍動感を損なうダイナミックディストーションの発生を防いでいます。
200Wを得るための2連のパワーブロックには効率の高い放熱フィンと静粛な冷却ファンを組み合わせて装備しており、75度~80度と厳密な温度管理を行うことでサーマルディストーションを排除しています。
電源部は極めて大容量のものを採用しており、定格のパワー値だけでなく、余力としての電流供給能力を高めています。
出力段のコンデンサーは240,000μFで、トランスはオーディオ用としては前例がないともいえそうな大型トロイダルトランスで構成されています。さらに、出力段とプリドライバー段は別電源となっており、プリドライバー用には専用電源を搭載しています。
この電源部で一般的なBクラスアンプを作る場合は800W級のものができるレベルとなっています。この強力な電源部によって1Ωまでインピーダンスが低下しても1.6kWのパワーを安定に送り出す能力を持っています。また、この状態で連続5分間の実動作すら可能にしています。
BTL接続用の端子を搭載しています。
一般的なBTL接続では3倍前後の出力しか得られない場合が多いですが、KMA-200を片チャンネル2台使ったBTL駆動では計算値どおりともいえる800W近くのパワーが得られます。
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
定格出力(20Hz~20kHz、連続) | 200W(8Ω) |
入力感度/インピーダンス | 1.4V/22kΩ |
全高調波歪率 | 0.05%以下(20Hz~20kHz、1W~定格出力) |
周波数特性 | 0.5Hz~100kHz -3dB 20Hz~20kHz -0.5dB(1W~定格出力) |
SN比 | 110dB(IHF-A) |
定格負荷インピーダンス | 2Ω以上 |
ダンピングファクター | 150(1kHz) |
スルーレート | 250V/μsec |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 530W(アイドリング時最大、1台当たり) |
外形寸法 | 幅483x高さ226x奥行612mm |
重量 | 約35kg |