KRELL KAS
※1993年発売
¥6,900,000(2台1組、1994年頃)
解説
あらゆる状況下で純粋なパワーを得るとともに、限りなく信号の純度を高めるために叡智を尽くして設計されたモノラルパワーアンプ。
KASはKrell Audio Standardの略です。
消費電力と発熱の問題で実現が困難とされてきた大出力での純クラスA動作を実現するため、サスティーンド・プレイトゥ・バイアステクノロジーを採用しています。この回路では入力に応じてバイアスレベルを5段階設定しており、発熱と消費電力の問題を解消しています。
また、音楽信号のおよそ200倍(1,800V/μsec)のハイスピードで入力を感知してバイアスを設定する独自のアンティシペーター回路を開発し導入することで、バイアス設定のスピードが瞬時の音の立ち上がりに影響を与えるのを防いでいます。
さらに、設定されたバイアス電圧をその後一定時間信号の入力が無くても保持することで常時バイアスが変動することによるレスポンスの不安定さも解消しています。
アンプ部にはモトローラ社が協力製作したクレル指定スペックのTO-3キャンタイプ出力トランジスタを48個搭載しています。また、このトランジスタを完全に駆動させるために電源部には同種類48個のレギュレータトランジスタを搭載しています。
この、一つのデバイスを一つのデバイスでレギュレートする異例の構成によってアンプ部各段に極めて安定した電圧・電流を供給し、1Ω負荷の最高出力時においても純A級動作を実現しています。
従来の電源回路では、安定性の裏で瞬時の信号変化に対するレスポンスに問題を抱えていました。KASではこの問題を解決するためにアンプ部に使用されている新開発アンティシペーター回路を採用しており、入力レベルと出力インピーダンスの両方を感知し、供給に備えてあらかじめ電圧を上昇させることで、従来の安定化電源では考えられない優れた立ち上がりを実現しています。
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
連続出力(20Hz~20kHz) | 3,040W(1Ω) 1,520W(2Ω) 760W(4Ω) 380W(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.1% |
S/N比(A) | 120dB以上 |
ダンピングファクター | 1,000 |
入力感度/インピーダンス | 2.6V/47kΩ |
消費電力 | 150W(アイドル時) 1,600W/ch(8Ω最大) |
外形寸法 | 幅458x高さ340x奥行635mm(電源部含む) |
重量 | 97.6kg/ch |