Jeff Rowland Cadence Phono Stage
¥750,000(1996年発売)
解説
MM/MCカートリッジに対応したフォノイコライザーアンプ。
MCカートリッジのフローティングバランス構造を維持するため、完全バランス入力を採用しています。MCカートリッジのコイルはグランドから数メガオームと絶縁されており、全てのノイズ電流がカートリッジ出力の信号に影響を与えるのを防いでいます。
インプットトランスには特別製の高純度ニッケルコアトランスを採用しています。
このトランスは歪率が0.001%以下と非常に低く抑えられています。また、コンピューターエイド設計によるパラメーターではオーディオバンド(20~20kHz)においてフェイズシフトはリニアフェイズから1.2度以下と極めて低い偏差を実現しています。帯域も非常に広く、1:12、1:4の比率において0.5Hz~200kHzをカバーする優れた特性を得ています。
ネステッドミューメタルと銅によるサンドイッチ構造のケース、コンピューター制御による巻線技術によって完全に電磁フィールドのシールディング効果を得ることができ、60Hzにおいて130dB以上のCMRR(コモンモードリジェクションレシオ)を確保しています。
回路は分割RIAA構成となっています。インプットトランスのすぐ後ろにローノイズアクティブイコライザーがあり、RIAAターンオーバーポイントは50Hz(3180μs)と500Hz(318μs)となっています。ゲインは約35dBで、パッシブRCフィルターは最終RIAAターンオーバーポイントを2120Hz(75μs)としています。この最終RCフィルターは第二ローノイズアンプによって緩衝されており、フォのステージ全体のトータルゲインは64dBを確保しています。
ケイダンスは市販の殆どのMCカートリッジに対応でき、DCコイル抵抗が3、5、25、40Ωの4ポジションで対応しています。また、高周波カートリッジ共振は高域キャパシティブリアクタンスによりインプットトランスによってダンプされます。
シャーシはハードアルミブロック一体構造を採用しており、共振を徹底的に排除しています。
フロントパネルでゲインの切替が可能です。
機種の定格
型式 | フォノイコライザーアンプ |
ゲイン | Lo gain:64dB Hi gain:74dB |
RIAA精度 | 20Hz~20kHz ±0.03dB |
周波数特性 | 0.5Hz~180kHz -3dB |
コモンモードキャンセル率 | 130dB(60Hz) |
全高調波歪率(THD) | 0.015%以下(20Hz~20kHz、5V出力) |
出力ノイズ(IEC Aweighted) | Lo gain:59μV以下 Hi gain:60μV以下 |
負荷抵抗相当値 | Lo gain, Loインピーダンス:250Ω Lo gain, Hiインピーダンス:400Ω Hi gain, Loインピーダンス:30Ω Hi gain, Hiインピーダンス:50Ω |
カートリッジコイル抵抗 (最適組合せによるMCカートリッジ) |
Lo gain, Loインピーダンス:25Ω Lo gain, Hiインピーダンス:40Ω Hi gain, Loインピーダンス:3Ω Hi gain, Hiインピーダンス:5Ω |
入出力端子 | 3ピンXLR、XLR-RCAアダプター付属 |
電源 | ±12~14VDC、40mA コヒレンス、シナジープリアンプパワーサプライより供給可能 |
外形寸法 | 幅445x高さ152.5x奥行80mm |
重量 | 11kg |