Jeff Rowland Model3
価格不明(1台、1987年発売)
解説
中規模の出力で比較的コンパクトなパワーアンプとして設計されたモノラルパワーアンプ。
物理的な強度を獲得するとともに振動に起因する様々な歪を排除するため、シャーシには全てにわたって平面性の高い6061-T6アルミニウムを機械加工/電解処理して使用しています。
また、電源スイッチング回路は全てリアパネルへ垂直にボルトで固定された構造となっています。
電源トランスには、特性のカプセルに収納した700VAの強力トロイダルトランスを搭載しており、出力トランジスタに採用された12個の高速バイポーラトランジスターへエネルギーを供給するとともに、コンスタントな高電圧をフロントエンドのレギュレーション回路に送り込んでいます。
フロントエンド回路はパワースイッチをオフにしてもスタンバイ状態となる設計になっており、独自のバイアスコントロール回路によって電源投入時の迅速な温度特性安定化を可能にしています。
また、フロントエンド回路は全てエポキシ・カプセルにモジュール化することで信頼性を確保しており、将来回路のアップデートが必要になった場合でも交換が容易な設計としています。
Model3の入力にはバランス方式を採用しています。また、入力インピーダンスも選択できるため、接続機器がバランスであってもシングルエンドであっても最適な動作が可能です。
回路構成は、増幅ゲイン段には全体にわたって差動FETを使用しており、一切のキャパシターを排除しています。また、DCサーボによるエラー訂正回路を採用することで出力信号の精度を維持し、信号間の相互干渉を排除しています。
また、他のジェフローランド・アンプと同様にフィードバックを適用しないことで高音質化を図っています。
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
定格出力(RMS連続) | 320W(2Ω) 200W(4Ω) 100W(8Ω) |
周波数特性 | 0.15Hz~200kHz -3dB |
スルーレイト | 45V/msec |
全高調波歪率(1kHz、8Ω) | 0.03%(20W) 0.08%以下(150W) |
ダンピングファクター(8Ω) | 120以上(20Hz~20kHz) 80以上(100kHz) |
出力電流(20msec、1kHz) | 32A(連続) 80A(ピーク、0.1Ω) |
ゲイン | 26.4dB |
入力感度 | 136mV(1W、8Ω) |
入力インピーダンス | 100kΩ、20kΩ、3kΩ(選択可能) |
コモンモードリジェクション比 | 90dB以上(20Hz~20kHz) |
消費電力 | 200W(アイドル時) |
外形寸法 | 幅383x高さ145x奥行380mm |
重量 | 20.9kg |