オーディオの足跡
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INFINITY RS-1(Reference Standard I) \2,200,000(1システム、1980年発売)

解説
IRSの開発コンセプトとデザインを継承しつつ高さ1.5mと一般家庭でも設置可能なサイズにまとめたスピーカーシステム。

RS-1は回折ウイングとポイントソース理論によって設計されています。
ポイントソース理論とは、無限小の振動球から全ての周波数を全ての方向に放射するという音響理論ですが、これは現実的には不可能という理由からやや曖昧に扱われていました。RS-1では聴取位置でポイントソースによる伝送と同等の効果を生み出すように設計することでポイントソース理論に近づけています。
まず、IRSと同様になだらかに湾曲した回折ウイングを採用することで直接波と反射波の干渉によるディフラクションを抑えています。そして、全帯域にわたって指向性を改善するため特に中高域は後面にも音波を放射する双指向性とし、理想的な球面波を実現しています。さらに周波数が高くなるにつれて振動板面積を小さくし、しかも音像のピントがスーパーツィーターに絞りこまれていくようにユニットを配置することでトータルの焦点を明確化しています。
これらによってマルチウェイ・マルチ駆動でありながらポイントソースとほぼ同等のエネルギーレスポンスを実現しており、ピンポイントの音像定位と、前後左右上下と3次元的に広がる音場再現性を獲得しています。

ウーファーコラム部はコーナーにアールを持たせた構造となっています。
ユニットは低域用として20cmポリプロピレンコーン型ウーファーを6個縦列配置しており、新開発のサーボセンシングネットワークによって超低域までフラットな再生を可能にしています。
振動板に使用されているポリプロピレンはQ値が紙コーンの90〜100に比べて7〜9と非常に低く、優れた直線性を示しています。また、ヤング弾性係数も高いため過渡的な大入力によるコーン歪もほぼ解消されており、クリアな再生音を実現しています。さらにポリプロピレンコーンはエンクロージャー内のバックウェーブに対しても効果的なソニックバリアを形成し、引き裂き力にも強く、135℃の高温にも耐え、湿度に影響されることもないなど、数々の優位点を持っています。

回折ウィング部には重厚なソリッド・オーク材を使用しています。
ユニットは双指向性のEMIMを7個と、EMITを前面に3個、後面に1個搭載しています。
7個のEMIMのうち6個は140Hz〜700Hzを受け持っており、上から3番目の1個だけは700Hz〜3kHzを受け持たせています。また、前後3個のEMITのうち上下2個に3〜8kHz、振動板を横1/2インチ、縦1インチに狭めた中央のスーパーEMITに8kHz以上の帯域を受け持たせ、さらにこのEMITを上から3番目のEMIMに隣接させています。
これによりトータルで極めて明確な低位と全帯域にわたって均質なエネルギーレスポンスを実現しています。

中域に搭載されたEMIM(Electromagnetic Induction Midrange)は極薄のボイスコイルをエッチングした超薄型・超軽量のプラスチックダイアフラムを強力な磁性体であるサマリウムコバルトでサンドイッチし、強力な磁界でダイアフラムを全面駆動する構造となっています。
これによりコーン型、ドーム型、ホーン型では構造上追従しきれない過渡信号や瞬時の大入力にも応答し、しかもコンデンサー型よりも連続の大入力に強く、優れた中域再生を実現しています。さらに再生帯域も広くとれ、150Hzから5kHzまでフラットなレスポンスを獲得しています。
また、裏面プレートにもスリット状の格子を設けた双指向性となっており、優れた音場再現性を実現しています。

高域に搭載されたEMIT(Electromagnetic Induction Tweeter)はEMIMと同様に強力なサマリウムコバルトマグネットの間に超薄型・超軽量のプラスチックダイアフラム振動板をサンドイッチした全面駆動型ツィーターです。
32kHzの超高域までフラットに再生することが可能となっており、しかも主放射源が1 1/2インチ幅のため、60゜方向でも-2dB(20kHz)という優れた水平指向特性を示しています。

専用のクロスオーバーユニットが付属しています。

※RS-1ではウーファー用パワーアンプに推奨される仕様がありました。
条件は150W/ch以上の出力を持つパワーアンプで充実した電源を持ち、かつ−側が太めのケーブルで筐体設置されているもので、ブリッジ配線のアンプや真空管式のアンプの使用を出来るだけ避けるよう記載されていました。
 
 
 
機種の定格
方式 5ウェイ・17スピーカー・フロア型
システム 4台のユニット(ウーファーユニット2台、中高域ユニット2台)及びチャンネルディバイダーで構成
使用ユニット 低域用:20cmコーン型×6
中低域用:EMIM型×6
中高域用:EMIM型×1
高域用:EMIT型×3
超高域用:スーパーEMIT型×1
周波数帯域 25Hz〜32kHz±2dB
インピーダンス
クロスオーバー周波数 140Hz、700Hz、3kHz、8kHz
推奨アンプ ウーファーユニット:150W/ch以上
ミッドレンジ/ツィーター部:100W/ch以上(バイアンプ方式)
外形寸法 ウーファーユニット:幅360×高さ1,500×奥行360mm
ミッドレンジ/ツィーター部:幅600×高さ1,500×奥行600mm
システム重量 約176.5kg(総重量)