harman/kardon CD491
¥180,000(1984年頃)
解説
周波数特性の改善を重視して開発されたカセットデッキ。
ドルビーHX-PROを搭載しており、ハイレベル録音時の高域特性の改善を図っています。
この機構では音楽信号とバイアス電流が複合した状態を分析し、高域周波数成分自体が生み出すオーバーバイアス量を検知します。そしてその量をキャンセルするようにスタティックなバイアス量を自動的に変化させます。これにより録音される信号がいかなるものでもバイアスは理想的な量に保たれるため、テープの持つ飽和レベルを十分に使いこなす録音が可能となります。
このドルビーHX-PROを搭載することで高域の周波数特性も向上し、プレゼンスの良い音楽が楽しめます。また、ドルビーHX-PRO機構はドルビーB/Cやdbxなどのノイズリダクションシステムと違って録音信号に操作を加えないため、他のカセットデッキでも高品位の再生が楽しめます。
ヘッド部にはコンビネーションヘッドを採用しており、録音側にはヘッドギャップ3.0μのセンダストヘッド、再生側にはヘッドギャップ0.8μのフェライトヘッドを採用しています。
さらに、ヘッド固有の特性が優れたものだけを選別し、さらにその高域補償を通常のピーキングポイントより3~4kHz高い28kHzに設定しています。これにより高域での周波数特性を著しく改善しています。
メカニズム部にはDDモーターを用いたクローズドループデュアルキャプスタン方式を採用しており、安定したテープ走行を実現しています。
録音、再生、ドルビーなど主要回路の電源部にはシャントレギュレーターを独立して装着させています。これによりカウンターのクロックパルスによる音質劣化、インジケーターの脈動的な動作、ブロック間の相互干渉を排除しています。
レックキャリブレーション機構を搭載しています。
カセットの録音感度の基準周波数400Hzのポイントでレベルチェックができるオシロレーターを内蔵しており、付属のドライバーを使ってテープ感度の調整が可能です。
ファインバイアストリム機構を搭載しています。
12.5kHzでのレベル設定用にオシロレーターを内蔵しており、テープ個々の高域感度差に対してバイアス量の調整で対応することで、正確な周波数特性が得られます。
メーター部に周波数が高くなるにつてれて表示感度が上昇するメーターウェイティングシステムを搭載しており、CDなどの高域の周波数成分が多いソースの録音が慎重に行えます。
マスターフェーダー機構を搭載しており、録音レベルとL/Rのチャンネルバランスを一度セットしてしまえば、マスターフェーダーで基準録音レベルを残したままで滑らかなフェードイン・フェードアウトが可能です。
コントロールつまみの動作範囲は180゜に設定されており、操作性を考慮しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/C NRを搭載しています。
メモリー機能を搭載しています。
オートリワインド、オートリプレイ機能を搭載しています。
レックミュート機構を搭載しています。
ピークホールド機構を搭載しています。
スポット調整によらず、スイープ応答による全周波数帯域の管理を行っています。
この測定結果は製品一台毎に左右両チャンネル-20dB、20Hz~20kHzの周波数特性チャートとして製品に封入されています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
ヘッド | 3ヘッド(消去x1、録音x1、再生x1) |
ワウ・フラッター | 0.025%WRMS |
周波数特性 | 20Hz~26kHz ±3dB(METAL) 20Hz~24kHz ±3dB(LN、CrO2) |
SN比 | 75dB(Dolby C on、CrO2) |
バイアス周波数 | 105kHz |
入力感度/インピーダンス | Mic:0.65mV/1kΩ Line:40mV/22kΩ |
出力レベル/インピーダンス | 最大420mV/5kΩ以下 |
ヘッドホン/インピーダンス | 8Ω以上 |
消費電力 | 45W |
外形寸法 | 幅443x高さ123x奥行433mm |
重量 | 7.2kg |