DIATONE DA-Q100
¥49,800(1972年頃)
解説
RM・SQ・QM-4の3種類のマトリックスを内蔵したデコーダー部に、SEロジック回路を搭載し、マトリックス4chの分離度を飛躍的に高めたコンポーネント専用の4chデコーダー。
マトリックス4chで問題となっていたクロストークを改善するため、SEロジック回路を採用しています。
この回路は、主信号を利用して逆相信号をつくり、各チャンネルに漏れているクロストーク成分だけを消去・抑圧し、ディスクリートなみの分離度を実現しています。
ロジック回路の原理ですが、まず比較検出回路によって対向チャンネル間の信号の大きさを検出し、これをDCの制御信号に変換します。この信号を利得制御回路(ゲインコントロール)に送り、主信号が制御されて0゜と180゜の互いに逆相になった消去信号となります。そして、加算回路でマトリックスの出力である主信号と消去信号がミックスされ、クロストーク成分が消去されます。
このような構造のため、主信号に手を加えずに調整するため、主信号を直接ゲインコントロールするAGCとは違う歪の無い音質を保障しています。
デコーダー部では、RM(レギュラー・マトリックス)、SQ、QM-4マトリックスを内蔵しており、4ch再生への幅広い適応性を持たせて設計されています。
これにより、スイッチの切換えで市販の殆どのレコードが4ch再生可能となっています。
また、CD-4方式はディモジュレーターの接続端子を設け4chコントロールセンターとしての使用も可能です。
ディスクリート用の端子を搭載しており、テープデッキを接続するだけでディスクリートも楽しめます。
フロントとリアの4つの大型レベルメーターを採用しています。
機種の定格
型式 | 4チャンネルSEデコーダー |
再生方式 | 一般形マトリックス方式(レギュラーマトリックス) CBS形マトリックス方式(SQマトリックス) ディスクリート方式 QM-4形マトリックス方式 |
入力信号レベル | 200mV(rms) |
出力信号レベル | 前方2ch:200mV(rms) |
入力インピーダンス | 100kΩ以上 |
周波数レスポンス | 30Hz~30kHz ±1dB |
高調波歪 | 0.3%以下 |
分離度 | 各チャンネル間:最大15dB |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 幅400x高さ144x奥行260mm |
重量 | 5.8kg |