オーディオの足跡

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D-160の画像
 解説 

1980年に開発されたダイヤトーン最大のウーファーユニットを用いたウーファーシステム。

ユニットには160cmコーン型ウーファーであるPW-1600を搭載しています。
振動板にはハニカム振動板を採用しており、ハニカムコアにアルミニウム合金、スキン材にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を用いることで軽量化を実現しており、超大型ウーファーでありながら振動板の重量を3kgに抑えています。
また、磁気回路にはフィールドコイルを採用しています。設計段階で永久磁石を用いて計算すると強力な磁石を使っても重さが800kgを超えるため、軽量化のためにフィールドコイルの使用を決定しています。このコイルは電車のモーター用の電線を使用しており、フィールドコイルのみで400kgの重量があります。
ボイスコイルには高耐熱ボビンを採用しており、高い耐入力を実現しています。
フレーム部は一体での鋳造が不可能なため、4つに分割された部材をボルトで組み上げています。このユニットは単体の重量で600kgもあります。

エンクロージャーはバスレフ方式を採用しており、スチールの角材に木材を張りつけた構造となっています。

160cmという異例のサイズのユニットは特性テストにおいても非常に苦労したようです。
郡山製作所での特性テストは最初は測定室で行ったそうですが、天井の蛍光灯が振動で落下してしまうため中止。工場敷地内のグランドで特性テストが行われたようです。
この屋外でのテストは近隣への悪影響があったらしく、スピーカーから100m程度の場所では音として感じられたそうですが、それ以上の距離では耳に聞こえる音としてでなく振動や地鳴りとなって伝わり、工場から半径2kmの範囲で地震や地鳴りのような振動、壁や窓が鳴るなどの被害がでたそうです。

最初に一般公開されたのは1981年3月の神戸ポートピア、三菱未来館です。
また、当時のTBSのクイズ番組で「プレハブ住宅のなかで鳴らしたら窓ガラスは割れるか?」という問題に使われたようで、ガラスは簡単に割れてしまったそうです。

このスピーカーは騒音振動の研究する神戸大学の研究室や電力中央研究所に納入されたようです。

機種の定格
方式 1ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・フロア型
使用ユニット 低域用:160cmコーン型(PW-1600)
周波数特性 8Hz~500Hz
出力音圧レベル 98dB/W/m
最大入力 3,000W
外形寸法 幅2,372x高さ2,312x奥行1,375mm
重量 1,500kg