DIATONE DS-97C
¥101,000(1台、1988年11月発売)
解説
豊かな低域再生を追求したフロア型スピーカーシステム。
低域にはイントラプライ・ハイブリッド・ハニカムコーンを用いた31cmコーン型ウーファーを搭載しています。
イントラプライ・ハイブリッド・ハニカムコーンは、表スキンにPAN系高強度炭素繊維と芳香族ポリアミド系アラミッドのハイブリッド・ウィービング・スキン材を採用し、裏スキンにセルロース繊維系スキンを採用しており、これをハイブリッド構造とすることで高い比弾性率と適度な内部損失を実現しています。
中域には12cmコーン型スコーカーを搭載しています。
振動板素材には、アラミッドとカーボンを1:2に織りこんだハイブリッド・ウィービング・スキン材を採用しており、軽量・高剛性に加えて高い内部損失を持つ振動板を実現しています。さらに、カーボンクロス・スキン材を使用した2プライ構造にすることで、高比弾性率と高いロスファクターを実現しています。また、センターダイアフラムには、チタンに表面硬化処理を施すことで高比弾性率とロスファクターを両立させたS.R.チタンドームを採用しており、ドームダイアフラムとコーンダイアフラムのハイブリッド構造とすることで音のつながりをスムーズにしています。
エッジ部には振幅のリニアリティに優れたロールエッジを採用しています。また、ミッドレンジには木製のバックチャンバーを採用しており、十分な容積を確保するとともに高い強度を得る事て、低域との干渉を防いでいます。
高域には2.5cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
ダイアフラムにはダイヤトーン独自の振動板であるボロンを採用するとともにダイアフラムとボイスコイルボビンを一体化したD.U.D.構造によって、ボイスコイルボビンに発生した駆動力を損失無く振動板に伝達しています。これにより、トランジェント応答性の改善や、高い高域限界周波数、リニアリティ・耐入力性を向上しています。
また、高剛性ユニット構造であるD.M.(ダイレクト・マウント)もハイブリッド構造となっており、磁気回路自身の固有共振を減衰するため、プレート全体をアルミ合金化スティングでマウントしています。これにより高剛性に加えて適度な制振性を獲得しています。
全ユニットに防磁構造を採用した防磁設計となっています。
また、ユニット取り付けボルトの表面から放射される固有音を抑制するため、全ユニットに制振ボルトキャップを使用しています。
ネットワーク部のトゥイーター用コイルには低歪の空芯コイルを採用しており、色付けの無い素直な音の伝送を図っています。
また、独立給電方式及びネットワークの分割配置により、各ユニット・ネットワーク間の干渉を排除しています。さらに、結線方式には圧着ワイヤリングを採用しています。
フロントバッフルには2サイド・ラウンド・バッフルを採用しており、回折効果を低減しています。
エンクロージャーは容積約80リットルのバスレフ設計となっています。
フロントバッフルには板厚30mmの2プライウッドを採用しており、充分な強度を得る事で共振を抑制しています。また、ウーファーをバッフル板のほぼ中央にマウントすることで、特に上下方向に発生する低次の定在波を抑制し、さらに補強材によって共振周波数を分散することで、低域に過度なダンピングをかける吸音材の使用を最小限に抑えています。
バスレフポートには、5mm厚の無機質フィラー混合ポリプロピレンを採用しています。このポートはなだらかなベントを持った形状となっており、入り口断面の真円から断面積を変えずに楕円型へと変化する形状となっています。これによりキャビネット内部の高次定在波がダクトから放射されるのを防ぎ、流路抵抗を低く抑えています。また、この形状によってダクト自身の固有共振を抑えています。
ネットグリルはサイドを大きく開放し、ダブルフレームの剛性をアップしつつ透過性の良い構造としています。
専用のアコースティックベースが付属しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型・ 防磁設計(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:31cmコーン型 中域用:12cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
公称インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 28Hz~35kHz |
出力音圧レベル | 92dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 450Hz、4kHz |
最大入力 | 230W(EIAJ) |
外形寸法 | 幅400x高さ945x奥行361mm |
重量 | 41kg |
付属 | アコースティックベース OFCスピーカーケーブル |