オーディオの足跡

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DS-77Zの画像
 解説 

A.D.M.C.などの新たな技術を投入したスピーカーシステム。

ウーファー
低域には31cmコーン型ウーファーを搭載しています。

振動板にはニュー・アラミッド・ハイブリッド・ハニカム・コーンを採用しています。
この振動板では、表スキンにはアラミッド・ハイブリッドFRPを、裏スキンにはセルロース繊維系スキンを採用しています。
アラミッド・ハイブリッドFRPは、高強度と適度な内部損失を持つ芳香族ポリアミド系の有機繊維アラミッドと、高い剛性を持つ無機繊維であるアモルファスシリカのイントラプライ構造となっています。DS-77Zではアモルファスシリカの剛性を従来よりさらに15%向上し、これらをハイブリッド・ウィービングすることで、より高い比弾性率と最適ロスファクターを両立したスキン材としています。
この表スキンと、内部損失に優れたセルロース繊維系裏スキンを、伝統のハニカム構造とすることで、高剛性と内部損失の高い次元での融合を実現しています。

ウーファーの磁気回路には新開発のA.D.M.C.(Advanced Magnet Circuit)を採用しています。
磁気歪は、駆動エネルギーである直流磁束の分布や、ボイスコイルに加えられる電流による交流磁界、磁束内の交流成分などに起因します。ダイヤトーンでは有限要素法などのコンピューター技術を駆使してこれを解析し、磁気歪を効果的に抑えるA.D.M.C.が開発されました。
まず、ボイスコイルと交差する直流磁束分布の対称性を高めるためセンターポール形状を検討し、同時にセンターポールに導電性のショートリングを配し、ボイスコイルからの交流磁束を相殺しています。これにより直流磁束と交流磁束の重畳で生じる磁気歪を抑制しています。
さらに、磁気回路内の交流磁束による直流磁束の乱れも低減することで、駆動エネルギーの安定化と低歪化を高い次元でクリアしています。

フレーム部には高剛性R.S.フレームを採用しており、不要共振を抑制しています。

スコーカー
中域には10cmコーン型スコーカーを搭載しています。

振動板のコーン部には、有機繊維アラミッドと無機繊維PAN系高強度炭素繊維をハイブリッド・ウィービングしたイントラプライ・ハイブリッド振動板を使用しています。極めて高い比弾性率を持つPAN系高強度炭素繊維と、高強度と適度な内部損失を持つ有機系アラミッドを組み合わせることで、互いの特徴を活かした振動板を実現しています。

振動板のセンターダイアフラムには、チタンを表面硬化処理することで高比弾性率と内部損失を持たせたS.R.チタン・ドームを採用しています。

エッジ部には特殊ダンピング材をコーティングすることで応答性を向上させたタンジェンシャルエッジを採用しています。
このエッジは共振を制御するため、2枚のタンジェンシャル・クロスを積層構造としており、特性の平坦化と歪の低減を実現しています。

ボイスコイルには6N(99.9999%)と極めて高純度な無酸素銅を採用しており、歪の少ない音を実現しています。

フレーム部には磁気回路を強力にサポートして共振を制御するR.S.フレームを採用しており、高剛性化を図っています。

トゥイーター
高域には2.5cmドーム型トゥイーターを搭載しています。

振動板にはボロンD.U.D.ドームを採用しています。
ボロンはダイヤモンドに次ぐ硬度を誇り、音速など優れた特性を持つと同時に、金属よりむしろ磁器に近い物性を有しています。さらにDS-77Zではボロンに対して様々な見直しを図っており、高比弾性率、高耐久・耐候性、固有音の制御などの特性を突き詰めてます。
また、ダイアフラムとボイスコイルボビンを一体化するD.U.D.構造によって駆動力を損失なく振動板に伝達し、高い限界周波数、リニアリティ・耐入力性の向上を実現しています。

フレーム構造にはD.M.方式を採用しており、磁気回路の一部であるプレート部を直接マウントしてます。
DS-77Zでは、さらに磁気回路部材の共振を排除するため、プレート全体をアルミ合金カスティングでマウントしたハイブリッド構造としており、高剛性に加えて適度な制振性を獲得しています。

ネットワーク
ネットワーク部の結線には圧着ワイヤリング方式を採用し、さらに給電方式には各ユニット・ネットワーク間の干渉を排除する独立給電方式を採用しています。
また、ウーファー用素子を独立させたに分割構造によって磁束漏れによる音の濁りを防止しています。

コイルには積層オリエントコアを、電線には無酸素銅線を使用しています。また、コンデンサーや抵抗にも吟味されたものを採用しています。

エンクロージャー
フロントバッフルには2サイド・ラウンドバッフルを採用しており、音波の回折効果による音質劣化を抑えています。

エンクロージャーは独自の解析技術を駆使した高剛性分散共振構造となっています。
また、さらなる高剛性化のため30mm厚のバッフルを採用しており、分解能を向上させています。

その他
DS-77Zには本格的な防磁設計が採用されています。

別売のスピーカースタンドには2種類のバリエーションがありました。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁設計(EIAJ)
使用ユニット 低域用:31cmコーン型
中域用:10cmコーン型
高域用:2.5cmドーム型
公称インピーダンス
再生周波数帯域 35Hz~35kHz
出力音圧レベル 91dB/W/m
クロスオーバー周波数 500Hz、4kHz
最大入力 230W(EIAJ)
外形寸法 幅400x高さ700x奥行330mm
重量 29.0kg
付属 OFCスピーカーケーブル
別売:スピーカースタンド DK-77Z(2台1組、¥35,000)
外形寸法 幅410x高さ264x奥行330mm
重量 10.0kg
別売:スピーカースタンド DK-77V(2台1組、¥35,000)
外形寸法 幅430x高さ250x奥行340mm
重量 8.0kg