DENON DCD-780
¥39,800(1992年頃)
解説
ラムダスーパーリニアコンバーターを搭載したCDプレイヤー。
D/A変換部にはラムダ(LAMBDA=Ladder-form Multiple Bias D/A)スーパーリニアコンバーターを搭載しています。
ラムダ方式では新開発LSIを用いてデジタルデータを2系統に分け、それぞれゼロクロス点付近に+と−方向にデジタルバイアスをかけてシフトすることで原理的にゼロクロス歪を排除しています。
再生デジタルデータがシフト量より小さい場合は元のゼロクロス点を横切る値が無いため、ゼロクロス歪は発生しません。そして、シフトした2つのデータをD/A変換してから加算することで直流分が排除されて合成されるため、ゼロクロス歪の全く無いアナログ出力を得られます。この2つのデータはMSBの反転が無く、合成された波形にもゼロクロス歪は発生しません。また、どこなのビットに誤差があった場合でも、2つの信号の平均となるため歪は1/2に減少します。
この方式では、再生デジタルデータがシフト量を越える大きさの場合は本来のゼロクロス点を横切ることになるため歪が発生する可能性があります。この問題に対処するため、スーパーリニアコンバーターによるMSB補正を行っています。さらに、楽曲1曲中に全く無いか、数回しかないレベルのピーク信号時(最大レベルの約99.6%以上)の場合は、ラムダはシフト演算をやめ、コンバーターのダイナミックレンジを最大限に使うことで広ダイナミックレンジを確保します。
デジタルフィルターには20ビット8倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを採用しています。
さらにDCD-780ではノイズシェーピング技術が導入されており、デジタルフィルター出力の丸め誤差成分だけをフィードバックして次に来るデータから差し引くことで、可聴帯域内の再量子化雑音を低減しています。
デジタルアッテネーターを搭載しており、デジタルフィルターによってデジタル段階で出力レベルを12段階に調節できます。
録音したいディスクに適したテープの長さが分かるオートエディット機能を搭載しています。
この機能ではディスクの総収録時間の1/2に最も近い曲間を自動的に判別し、前半と後半に分けて収録時間を表示します。
ディスプレイON/OFFスイッチを搭載しています。
デジタル出力端子を搭載しています。
ダイレクト選曲やオートマチックサーチ、マニュアルサーチ、最大20曲プログラム、プログラムコール、全曲/プログラム/A-B間リピート、ポーズスタンバイ、タイマープレイ、オートスペースなどの機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
D/A変換部方式 | ラムダスーパーリニア・コンバーター(ダブルD/Aコンバーター) |
フィルター | 20ビット8倍オーバーサンプリング・デジタルフィルター アナログフィルター |
周波数特性 | 2Hz~20kHz |
SN比 | 107dB |
ダイナミックレンジ | 100dB |
全高調波歪率 | 0.003% |
チャンネルセパレーション | 103dB |
チャンネル間位相差 | 2゜以内 |
出力電圧 | 可変:0.2~2V/10kΩ負荷時 |
ヘッドホンジャック | 最大出力10mW/32Ω負荷時、ボリューム付き |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 9W |
外形寸法 | 幅434x高さ105x奥行280mm |
重量 | 3.8kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RC-220 |