DENON DL-303
¥45,000(1979年頃)
解説
機械インピーダンス低減の理想を追求したMC型カートリッジ。
スタイラスチップには0.1x0.05mmの長方形断面のダイヤチップ特殊楕円針を採用しており、0.01mg以下という軽量化を実現するとともに、取付精度も向上しています。
カンチレバーには特殊アルミニウムによる二重パイプ構造を採用しています。また、先端部はテーパー状としており、軽量化ともに高度な電解処理で剛性を向上しています。
発電コイルを空芯タイプにすることで振動系全体の質量バランスをとり、分割振動による特性のなかだるみを排除しています。
より強力な磁界を得るためにサマリウム・コバルト系のマグネットの採用や、ヨーク構造の改善を図っています。
さらに発電コイルにはDL-103シリーズで大きな実績を築いた十字型巻枠を継承しています。この巻枠方式は振動軽軸に対称的になっており、さらに一点支持方式を採用することで磁界中央に常にコイルを正しく保持できるため動的バランスについても有利となっており、発電系での歪の発生を防いでいます。しかも、左右チャンネルの諸特性を揃えるメリットも持っています。
機種の定格
型式 | MC型カートリッジ |
出力電圧 | 0.2mV(1kHz、5cm/s、水平方向) |
再生周波数範囲 | 20Hz~70kHz(データ付き) |
出力インピーダンス | 40Ω(20Hz~20kHz) |
適合負荷 | 100Ω以上(トランス40Ω) |
チャンネルセパレーション | 28dB以上(1kHz) |
チャンネルバランス | 1dB以内(1kHz) |
スタティックコンプライアンス | 35x10-6cm/dyne |
ダイナミックコンプライアンス | 13x10-6cm/dyne(100Hz、レコード測定) |
針先(チップ) | 0.05x0.1mm角ソリッドダイヤ特殊楕円針 |
適正針圧 | 1.2±0.2g |
自重 | 5.8g |
針交換 | 本体交換(¥27,000) |