DENON POA-3000RG
¥450,000(1990年頃)
解説
MOSスーパーオプティカルクラスA回路を採用したステレオパワーアンプ。
            
            デノン独自のオプティカル・クラスA回路をさらに発展させたMOSスーパーオプティカルクラスA回路を採用しており、一般のリスニングパワーのレベルまでを純粋A級として増幅動作させることで優れた音質と高い効率を実現しています。
            MOSスーパーオプティカルクラスA回路では、バイアスコントロール回路からの制御信号をバイアス回路に伝送する光結合によって主信号系とバイアス制御回路間の干渉を排除すると共に、光素子によってバイアスコントロールのハイスピード化を図っています。
            
            終段はPc130Wの大容量大型パワートランジスタを6パラレル接続としており、負荷の電流供給に十分余裕のある構成としています。
            また、ドライバー段はMOS FET(Pc30W)とMOS Power FET(Pc100W)でインバーテッドダーリントン接続構成とし、終段を余裕を持ってドライブしています。MOS
            Power FETによるインバーテッドダーリントンドライバー段は従来に比較して10倍のバイアス電流を流す事ができ、ドライバー段の純A級動作領域を10倍に拡大し、小中出力時のクオリティを向上させ、小出力時の音質劣化を排除しています。
            
            電圧増幅段には差動3段増幅回路を採用しています。
            この回路ではデノン独自の厳しい規格で選別された低ノイズ、低帰還容量のFETを初段差動増幅回路に採用しています。また、プリドライバー段は出力段に大レベルの信号電圧を供給するためカレントミラー方式の差動増幅とし、さらにクオリティアップを図るため並列差動回路を採用することで直線性を大幅に改善しています。
            
            電源部には大型トロイダルトランスと大容量音響用電源コンデンサーを採用しており、パワー段及びプリドライバー段に独立して電源を供給するとともに左右チャンネルを完全に独立させたモノラルレイアウト構成としています。これにより電源部はパワー段、プリドライバー段を通して完全なモノラル・コンストラクションとなり、電源部におよる左右干渉を解消しています。
            また、主信号系と電源部は大型ヒートシンクを介して完全に分離するとともに、左右回路はシンメトリー構造とすることで特性差を排除しています。
            
            シャーシ構造には厚板材を用いた5点支持高剛性シャーシを採用しており、焼結金属ベースの大型重量級フットで堅固にキャビネットを支えています。
            
            プリント基板には強度・電気的性能に優れたエポキシ系ガラス複合基板を採用しています。
            また、音響用抵抗やコンデンサーなどの高音質パーツを採用してます。
            
            POA-3000RGはスイッチ切換によってモノラルパワーアンプとしても使用できます。
            モノラル動作時は左右2チャンネルのアンプを正負極性アンプとしてドライブすることによってハイパワーを実現してます。また、モノラル動作時のバランス入力はダイレクトバランス入力方式を採用しています。
            
            入力端子はRCAピンジャックとキャノンコネクターの2系統を搭載しており、アンバランス・バランス入力の両方に対応しています。
            モノラルアンバランス入力時のバランス変換回路にはデノン独自に開発されたInverted
            Σ Balance回路を搭載しています。この回路はバランス伝送方式の良さを引き出すため、増幅素子全てを高性能・高品質パーツ使用のディスクリート構成とし、電源電圧の高電圧化を図るとともに低歪率・高SN比を実現しています。
            
            出力端子にはバイワイヤリング接続に対応した並列2系統大型スピーカー端子を採用しています。
            
            ピーク出力レベル表示のアナログメーターを搭載しています。
            このメーターには照明や動作をON/OFFできるメータースイッチを装備しています。
            
            低インピーダンススピーカーを安定にドライブできる新開発プロテクター回路を搭載しています。
            
            ステレオ・モノラルが独立した前面操作入力レベルコントロールを搭載しています。
            
            ブライヤーを用いた入力レベルコントロールノブや多層コーティングによるリアルウッド鏡面仕上げキャビネットを採用しています。
            また、フロントには20mm厚ガラスウインドウを採用しています。
			
機種の定格
| 型式 | ステレオパワーアンプ | ||
| <パワーアンプ部> | |||
| 定格出力 | 
                  
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| ダイナミックパワー | 
                  
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| 全高調波歪率 | Stereo:0.005%(20Hz~20kHz、8Ω、定格出力-3dB) Monaural:0.008%(20Hz~20kHz、8Ω、定格出力-3dB)  | 
                ||
| 混変調歪率 | 0.003%以下(7kHz/60Hz=1/4、8Ω、定格出力相当振幅出力時) | ||
| 出力帯域幅 | Stereo/Monaural:5Hz~50kHz(THD0.05%、8Ω、定格出力-3dB) | ||
| 周波数特性 | Stereo/Monaural:1Hz~100kHz(8Ω、1W出力時) | ||
| 入力感度 | 
                  
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| 入力インピーダンス | 
                  
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| 出力インピーダンス | 0.08Ω(1kHz、stereo) | ||
| SN比(Aカーブウェイティング、 1V入力換算値)  | 
                  
                  
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                ||
| スピーカー出力端子 | AorB:4Ω以上 A+B:8Ω以上  | 
                ||
| <レベルメーター部> | |||
| 指示方式 | ピーク値指示方式出力レベルメーター | ||
| 指示範囲 | -50dB~+5dB 0dB=200W/8Ω(stereo時、monaural時はW指示値x2)  | 
                ||
| 周波数特性 | 10Hz~100kHz +0 -3dB(1W出力時) | ||
| <総合> | |||
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
| 消費電力(電気用品取締法) | 600W | ||
| 外形寸法 | 幅495x高さ200x奥行490mm(つまみ類、脚含む) | ||
| 重量 | 35.5kg | ||
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