DENON PMA-980
¥138,000(1986年頃)
解説
CD時代に対応し、セパレートアンプの設計思想を投入して全回路を磨きこんだプリメインアンプ。
パワーアンプ部にはデュアル・スーパー無帰還回路を搭載しています。
この回路はパワー段のNチャンネルとPチャンネルの各トランジスタで相互に歪を打ち消しあうディストーション・サーボ回路で構成し、NFB回路を持たない構成となっています。
これにより、NFBループがないことで信号の伝送速度が向上し、動的歪の発生を抑えています。
また、静的歪をゼロにするだけでなく、歪除去能力が優れているので超高域信号の高次高調波歪領域までも歪除去をしています。
さらに、NFBループがないため、スピーカー接続時にもその逆起電力などの影響が電圧増幅段に及ぶ事がないため、動的歪の発生を抑えています。
パワートランジスタにはPc130Wのものを採用し、パラレルプッシュプル・コンプリメンタリー回路を採用しています。
全信号経路を完全コンデンサーレス(完全DC構成)としています。
電源部には390VAのトロイダルトランスに加え、φ50x100mmのブロックコンデンサ(12,000μFx4)+高速整流のファーストリカバリダイオードを採用しています。
さらに、新開発のバランス形給電方式フローティング電源の採用によって左右独立電源並みの安定化をはかっています。
CDの品質を出来るだけピュアに再生するため、CDダイレクト入力端子(金メッキ仕上げ)を装備しています。
ダイレクトスイッチON時には、CDソースはボリュームに直結され、信号がインプットセレクターやRec
Outスイッチ等を通らず、パワーアンプにつながれます。
初段にローノイズFETによる差動増幅をパラレルに接続した広帯域イコライザーアンプを搭載しています。
ターン・オーバー切り換え付リアルタイム・トーンコントロールを搭載しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
定格出力(20Hz~20kHz) | 140W+140W(8Ω) 170W+170W(6Ω) |
入力感度/インピーダンス | Tuner入力:150mV/47kΩ |
全高調波歪率 | 0.003%(20Hz~20kHz、70W、8Ω) |
混変調歪率 | 0.002%(140W相当、8Ω) |
ダイナミックパワー | 440W/2Ω |
TIM歪 | 測定限界値以下 |
スルーレイト | ±350V/μsec以上 |
出力帯域幅 | 5Hz~80kHz(70W、0.02%、8Ω) |
周波数特性 | 1Hz~250kHz、+0 -3dB(1W、8Ω) |
出力インピーダンス | 0.1Ω以下 |
出力端子 | スピーカー:AorB:6~16Ω、A+B:12~16Ω ヘッドホンジャック最大出力:550mW(8Ω)、8~400Ω適合 |
<プリアンプ部> | |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC(High):0.25mV/100Ω Phono MC(Low):0.125mV/100Ω CD1、2、CD Direct、Tuner、Tape1、2:150mV/47kΩ |
最大出力/定格出力 | 14.5V/150mV(Rec Out) |
全高調波歪率 | 0.001%(Rec Out、1kHz、8V) |
RIAA偏差 | 20Hz~100kHz±0.2dB(MC・MM IN~Rec Out) |
<総合> | |
SN比(入力短絡、聴感補正A) | Phono MM:90dB(2.5mV入力時) Phono MC:75dB(0.25mV入力時) ライン:110dB(150mV入力時) |
トーンコントロール特性 | Bass:±8dB(50Hz/100Hz) Treble:±8dB(10kHz/20kHz) |
サブソニックフィルター | 18Hz、-12dB/oct |
ラウドネスコントロール特性 | 100Hz:+7dB 10kHz:+6dB |
消費電力(電気用品取締法) | 245W |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
外形寸法(フット、つまみ、端子含む) | 幅470x高さ167x奥行446mm |
重量 | 16.3kg |