DENON PMA-740
¥59,800(1983年発売)
解説
無帰還0dBアンプを搭載したステレオプリメインアンプ。
負帰還ループを排除した無帰還0dBパワーアンプを搭載しています。
この方式は、POA-8000で開発された無帰還技術を応用したもので、ダイレクト・ディストーションサーボ回路を用いた構造となっています。ダイレクト・ディストーションサーボ回路は、出力側から得られる信号(主信号+歪成分)と入力信号を比較して、歪成分のみを検出し、次にこの歪成分を位相反転して入力側に加えています。
この動作によって静的歪をゼロの領域に追い込んでいます。また、アンプの出力側に現れるノイズも、入力信号との差としてとらえ、歪成分と同様に除去しています。
これにより、信号のフィードバックが無く、時間遅れが生じないため、聴感的なクオリティに影響を与える動的歪を抑えています。また、NFB回路が無いため、スピーカーからの逆起電力の影響を受けず、スピーカー接続時の歪の増加や発生を抑えています。
パワーアンプ部にはPc150Wのパワートランジスタを採用しています。
デジタルソースの持つ高いダイナミックレンジに対応するため、多重シールドの大型トランスと、20,000μFの大容量コンデンサ、ファストリカバリーダイオードを電源部に採用しています。
イコライザー部には独自のスーパーイコライザーを搭載しており、広帯域化を実現しています。
高速プロテクション回路を内蔵しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
回路方式 | 無帰還0dBパワーアンプ方式 |
定格出力(両ch駆動、 正弦波連続出力、20Hz~20kHz) |
120W+120W(6Ω) 105W+105W(8Ω) |
入力感度/インピーダンス | 150mV/30kΩ |
全高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.005%以下(定格出力-3dB時) |
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | 0.0025%以下(定格出力相当振幅出力時) |
TIM歪率 | 測定限界以下 |
スルーレイト | ±200V/μs以上 |
出力帯域幅(IHF、両ch駆動) | 5Hz~80kHz(THD 0.03%) |
周波数特性(1W出力時) | 4Hz~150kHz +0 -3dB |
出力インピーダンス(1kHz) | 0.1Ω |
出力端子 | スピーカーAorB:6Ω~16Ω スピーカーA+B:12Ω~16Ω ヘッドホン:410mW/8Ω |
<プリアンプ部> | |
回路方式 | スーパーイコライザー方式 |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:0.2mV/100Ω Tuner、DAD/Aux、Tape:150mV/30kΩ |
最大出力/定格出力 | 10V/150mV |
RIAA偏差(MC) | 20Hz~100kHz ±0.3dB |
全高調波歪率(1kHz、8V出力時) | 0.002%以下 |
<総合> | |
SN比(IHF-A、入力短絡) | Phono MM:86dB(2.5mV入力時) Phono MC:70dB(0.25mV入力時) Tuner、DAD/Aux、Tape:106dB(150mV入力時) |
トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
ミューティング | -20dB |
ラウドネス特性 | 低域:+7dB(100Hz) 高域:+6dB(10kHz) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 195W |
外形寸法(脚、ツマミ、端子含む) | 幅434x高さ112x奥行398mm |
重量 | 10.2kg |