DENON PMA-630
¥65,000(1978年発売)
解説
ディスク再生を重視しつつシンプルな回路構成を採用したプリ付パワーアンプ。
PMA-630では2つの高性能ユニットアンプを組み合わせたストレート方式のアンプとなっており、アナログソースから入力された信号は高利得イコライザーアンプで増幅したのち、DCパワーアンプにストレートに送り込む構造とすることで不要な色付けを排除しています。
ディスク再生以外のプログラムはダイレクトにDCパワーアンプに直結されるため、中間アンプでの音の濁りや歪の発生の心配がありません。このため、パワーアンプ部は高出力パワーを得ると同時に高利得を実現しています。
パワーアンプ、イコライザーアンプ共にNPN/PNPトランジスタを対称型に配したコンプリメンタリープッシュプル回路を採用しており、優れた歪特性やS/Nを実現しています。
イコライザーアンプ部はDCパワーアンプに直結するために利得を42dB(1kHz、125倍)と大きくとっています。
また、高S/N比と低歪を実現するために使用パーツや回路にも検討が加えられており、入力初段には超低雑音トランジスタを使用し、雑音レベルは入力換算比-137dBを実現しています。さらに、イコライザーアンプ部には対称型A級プッシュプル回路を採用しており、測定限界に迫る0.003%まで高調波歪率を抑えています。
電源部には、電圧変動率に強く漏洩磁束を配慮した大型トランスを採用し、さらに新開発の低インピーダンス大容量ブロックコンデンサ(18,000μFx2)を使用しています。
Rec outオフ機能を搭載しており、テープデッキがRec out端子に接続されていてもメインの信号経路からテープデッキを切り離すことができます。これにより音質への悪影響を排除しています。
フロントパネルにはダイカストを使用しています。
スピーカー切換えにはリレー駆動方式を採用しており、出力インピーダンスの低減とダンピングファクターの向上を実現しています。
保護回路にはスピーカーやトランジスタを保護する電子回路とパワーリレーによるダブル保護回路を採用しています。
ラウドオネスコントロールや2段サブソニックフィルターを搭載しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
回路方式 | 全段ピュアコンプリメンタリープッシュプル方式DC回路 |
定格出力(両ch駆動、正弦波連続出力) | 80W+80W(8Ω、20Hz~20kHz) 100W+100W(4Ω、1kHz) |
入力感度/インピーダンス | 320mV/100kΩ |
全高調波歪率 | 0.01%以下 |
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | 0.005%以下(定格出力相当振幅出力時) 0.005%以下(正弦波1W相当振幅出力時) |
出力帯域幅(IHF、両ch駆動) | 5Hz~100kHz(THD 0.05%) |
周波数特性 | DC~100kHz +0 -1dB以内(1W出力時) |
SN比(IHF-A) | 112dB(入力短絡) |
出力インピーダンス | 0.09Ω以下 |
出力端子 | スピーカーA、B:4Ω~16Ω スピーカーA+B:8Ω~16Ω ステレオヘッドホン |
<プリアンプ部(イコライザーアンプ)> | |
入力感度/インピーダンス | Disc1、2:2.5mV/50kΩ Tuner、Aux、Tape:320mV/30kΩ |
Pre out出力/インピーダンス | 最大出力:25V 定格出力:320mV 負荷抵抗:50kΩ(THD 0.01%) |
Disc最大許容入力 | 200mV以上(1kHz) |
RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.2dB以内 |
SN比(IHF-A、入力短絡) | Disc:86dB以上 Tuner、Aux、Tape:112dB以上 |
全高調波歪率 | 0.003%(10V出力時) |
サブソニックフィルター | 20Hz/40Hz、6dB/oct |
ラウドネスコントロール | 低域:+9dB(100Hz) 高域:+5dB(10kHz) |
<総合> | |
クロストーク(Disc in~SP out) | -60dB以下(20Hz~20kHz) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 190W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅434x高さ145x奥行390mm(脚、ツマミ、端子含む) |
重量 | 17kg |