オーディオの足跡

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 解説 

デジタル部とアナログ部を徹底分離したデジタル・プリアンプ。


DAP-5500では2電源・2セパレート・ユニットシャーシ構造を採用しています。
デジタル系とアナログ系を電源ケーブルから完全に分離してシャーシに構築し、それを連携した構造となっています。隣接するシャーシ面もアイソレーターで絶縁する事で迷走電流を遮断しています。また、デジタルフィルターからのL/Rchデジタルデータは2種類の同期信号と共にアナログ部シャーシへ伝送され、HP社製の高速オプトアイソレーター4個によってD/Aコンバーター部へ光結合されます。
さらに両シャーシ内の基板も回路の性質によって上下2枚に分割配置し、その間をアルミ板でシールドしています。
この構造によってデジタル/アナログ両シャーシ間には共通のアースラインが無く、独立電源と相まって完全に分離されており、デジタル/アナログ間の相互干渉を防いでいます。


D/A変換部には4DAプッシュプル・スーパーリニアコンバーターを搭載しています。
この回路はスーパーリニアコンバーターにハイファイ・オーディオの発想を加えたものとしています。厳選した4個のD/Aコンバーターを使用しており、オプトアイソレーター出力のデジタルデータを正相・逆相の2つのデータに変換し、それぞれをプッシュプル構成の2つのD/Aコンバーターに送り込み、その出力を演算器で加算する構造となっています。
さらに独自開発のC.A.L.P.(Computer Analyzed Linear Phase)ローパスフィルターを通して群遅延特性の良いアナログ信号に復元しています。

デジタルフィルターにはFIR型4倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを搭載しています。

デジタル部には同軸2系統と光1系統の合計3系統の入力端子を備えています。3つの入力は高速C-MOSロジック回路のインプットセレクターで選択され、インターフェース復調回路によってD/A変換に最適な状態に整えられ、デジタルフィルターへ送られます。
また、PLL回路ではサンプリング周波数を自動的に識別して復調回路の働きを確実に行わせると同時に、フロントパネルにサンプリング周波数を表示します。

Digital Tape in/out回路を装備しています。
この端子はMonitorスイッチと共にインプットセレクターと復調回路の間に設けられており、DATデッキの他、各種デジタルプロセッサーの入出力が接続できます。

D/A変換後のローパスフィルター出力をダイレクトに送り出すDAC outを装備しています。
この端子を用いるとCDデジタル出力-4DAプッシュプルスーパーリニアコンバーター-パワーアンプといった最短接続が可能です。

デジタルダイレクトスイッチを搭載しています。
このスイッチがONではアンプはデジタルソース再生専用となり、OFFにするとデジタル部シャーシの電源が切れアナログソース再生専用となります。


アナログアンプ部はソースダイレクト時にはボリュームと増幅度1のA級増幅無帰還UGI(Unity Gain Interface)アンプのみのシンプルな構成となります。
OFF時はFET差動増幅の低歪・広帯域で16.5dBのゲインアンプが挿入され、再生系のトータルゲインが補正できます。

ボリュームには4連ダイカストフレームのメインボリュームを採用しており、チャンネル当たり2連を並列に接続して摺動面での僅かな非直線歪を回避しています。

UGIアンプの初段は高入力インピーダンス・高S/NのFET4パラレルプッシュプル構成となっており、静的非直線歪を打ち消します。また、FETのミラー効果を抑えるカスコード・ブートストラップ接続によって入力側メインボリュームの減衰量による特性劣化の無い、広帯域かつ低出力インピーダンスとなっています。
このような基本回路でNFB回路を持たないため、動的歪を発生せず、出力ケーブルから雑音の戻りが無いことと無利得・10Ωの低出力インピーダンスが相まって外来のデジタルノイズを受け付けずにピュアでハイスピードな信号伝送を実現しています。

アナログ系の入出力端子には従来型のピン端子に加えてバランス型XLR端子を搭載しています。
また、Line1入力とアンバランスPre out端子はフロントパネルに並列端子が設けられています。


電源部はデジタル部/アナログ部のシャーシそれぞれに電源コードから独立させた電源部を備えています。
電源トランスは両電源ともにトロイダル型トランスで、リップル除去率が高い高速安定化電源回路を搭載しています。さらに、高周波雑音を阻止する電源ラインフィルターや極性表示付き15A級の極太電源ケーブルを採用しています。

デジタル/アナログの各ユニットシャーシは厚肉押し出しアルミ製化粧シャーシのフロントパネル、サイドパネル、トップカバーで包み込む二重構造となっています。また、2枚の鋼板で高分子シートをサンドイッチした3層ラミネートのバイブレスボトムプレートを採用しています。

脚部には2種類6個のインシュレーターを採用しており、それを効果的に配置するHex Locationシステムを採用しています。
四隅には重くて振動遮断効果の大きい焼結金属をアルミキャップで覆い、底面に振動吸収用ウレタンを結合したインシュレーターを使用して耐振効果を高めています。

基板には、耐湿性に優れると共に絶縁度が従来より2桁高い、コンピューター/計測機用の新開発基板を採用しており、回路の絶縁度を高めて浮遊容量を下げています。
また、信号ラインの切換には高信頼性の密閉タイプ金クラッド端子クロスバーツインリレーなどで最短距離配線を実現しています。さらにコンデンサーや抵抗なども厳選した高級音響用パーツで構成しています。

機種の定格
型式 コントロールアンプ
<デジタル部>
デジタル信号フォーマット デジタルオーディオ・インターフェース
入力端子 Digital1:Optical
Digital2/3:Coaxial、0.5Vp-p/75Ω
対応サンプリング周波数 32kHz、44.1kHz、48kHz
Digital tape接続端子 in/out:Coaxial、0.5Vp-p/75Ω、RCAピン型
D/A変換方式 4DAプッシュプル・スーパーリニアコンバーター
フィルター 4倍オーバーサンプリングデジタルフィルター
+LC-OFC直線位相(CALP)7次アナログフィルター
周波数特性 2Hz~20kHz ±0.2dB
S/N比 110dB(EIAJ)
ダイナミックレンジ 97dB以上(EIAJ)
全高調波歪率 0.002%以下(EIAJ)
チャンネルセパレーション(1kHz) 100dB以上(EIAJ)
<アナログ部>
入力感度/インピーダンス Line1/2、Tape1/2 PB:1V/150mV(ゲインon)/10kΩ
Line3:バランス型、1V/150mV(ゲインon)/10kΩ
定格出力/インピーダンス Pre out:
 1V/10Ω(RCA)
 2V/600Ω(XLR)
Tape rec:入力接続機器の出力条件と同じ。
 XLR入力アンプ使用時:1V/470Ω(1V入力)
最大出力 Pre out:
 15V(RCA)
 30V(XLR)
周波数特性 1Hz~300kHz +0 -3dB(Line1、Pre out、ソースダイレクト)
全高調波歪率 0.002%(20Hz~20kHz、5V出力、Line1、Pre out、ソースダイレクト)
S/N比 116dB(Line1、Pre out、ソースダイレクト)
その他機能 Line1およびPre outはフロントパネルに並列端子
Pre outスイッチ
<DAC out(D/Aコンバーター直後の不平衡アナログ出力端子)>
出力電圧(対、CD記録最大レベル) 2V(10kΩ負荷時)
出力インピーダンス 470Ω
<総合>
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 20W
外形寸法 幅434x高さ133x奥行380mm(つまみ類、脚含む)
重量 13.7kg