BSR HT-70mkII
¥32,800(1970年代前半頃)
解説
BSRで唯一オートチェンジャーではないプレイヤーとして発売されたフルオートプレイヤー。
フルオート機構を搭載しており、オートスタート、オートリターン、オートストップ、オイルダンプキューイングによる曲の頭出しなどをワンタッチのレバー操作で行えます。また、演奏が終わると自動的に電源がOFFとなり、アームは自動的にロックされます。
さらに操作ミスによる故障を防止するためジャムプルーフ設計を採用しており、内部からの故障を抑えています。
駆動方式にはアイドラードライブを採用しています。
駆動モーターには自社製の4極シンクロナスモーターを使用しており、同じくBSRで製造された高信頼度アイドラーでターンテーブルを回転させています。
ターンテーブルにはダイキャストターンテーブルを採用しています。
トーンアーム部にはテーパーベアリングを軸受に用いた好感度の角型アームを使用しています。このアームはねじれに強く共振周波数が低く、クリアな音とユタカな低音再生を可能にしています。
また、スライド式のヘッドシェルを採用することで接触不良やガタツキを抑えつつカートリッジを厳密に水平に固定できています。
二重目盛りのアンチスケート機構を搭載しています。
この機構ではコニカル針(円針)と楕円針の両タイプに応じてインサイドフォースのキャンセル量をワンタッチでアジャストできます。
カートリッジにはシュアー製MM型カートリッジであるM75-6Sを採用しています。
キャビネットはBSRが特別に設計・管理したものを日本国内で製造して使用しています。
ローズウッド仕上げのキャビネットで、ハウリング対策も施されたものとなっています。また、アクリルダストカバーも十分に厚みを持たせることで共振を抑えており、しかもフリーストップヒンジで着脱も簡単に行えます。
キャビネットにはハンドプロテクターとしてアーム側にスペースが設けられており、針交換やアーム微調整の際に手をついて正確に調整できます。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<本体> | |
駆動方式 | アイドラードライブ |
モーター | 4極シンクロナスモーター |
ターンテーブル | 28cmダイキャスト製、1.9kg |
回転数 | 33・1/3、45、78rpm |
ワウフラッター | 0.09%以下(WRMS) |
SN比 | 43dB以上 |
針圧調整範囲 | 0~6g |
使用可能カートリッジ | 自重12gまでのカートリッジが使用可能 |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ | シュアー M75-6S |
適正針圧 | 1.5~3g(M75-6S) |
交換針 | シュアー N75-6 |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
チャンネルセパレーション | 25dB以上(1kHz) |
出力電圧 | 5mV |
<その他> | |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz(プーリー交換) |
消費電力 | 8W |
外形寸法 | 幅425x高さ160x奥行350mm |
重量 | 8kg |
付属 | 45回転用EPアダプター 留めネジ用アルミニウムキャップ |