BSR 710X
本体のみ:¥35,800(1972年頃)
キャビネット・ダストカバー・カートリッジ付:¥55,800(1972年頃)
解説
BSRのプロフェッショナルシリーズのレコードプレイヤー。
8つの独立したプリ・プログラム型の連動カムを採用しており、従来のオートチェンジャーにありがちな雑音を追放しています。
駆動モーターには連続カムの作動にしっかりとマッチするよう開発されたセミ分割巻のハイパワーシンクロナス・モーターを採用しています。このモーターでは電圧の変動やレコード枚数による荷重で回転ムラが発生するのを抑えています。
スピンドル部には回転式スタブスピンドルを採用しており、レコードとスピンドルが同時に回転することでレコードセンターホールとの摩擦を防いでいます。オートチェンジャー使用時はアンブレラタイプのスピンドルに交換して使用しています。
ターンテーブルにはアルミダイカスト製ターンテーブルを採用しています。
回転数切換えはロッカータイプとなっており、希望回転数はノブを押すことによって選べる設計となっています。
また、33・1/3と45回転の標準スピードを±3%の範囲で微調整できます。回転数の確認はターンテーブルの中央にあるストロボで行えます。
針の降下調整つまみを搭載しており、標準規格以外のレコードでも正確な位置に針先を降下させることができます。
オイルダンプ式のトーンアーム降下装置を採用しており、自動、セミ自動のどちらでもオイルダンプで作動します。
トーンアームには軽量アルミ製を採用しており、水平・垂直共完全バランス型となっています。
バランスウェイトや針圧調整機構を装備しており、使用するカートリッジに合わせた調整が可能となっています。
軸受はテーパータイプとなっており、水平・垂直の摩擦抵抗を抑えています。
インサイドフォース補正には二重目盛アンチスケート・コントロールを採用しています。
この機構では楕円針と円錐針のタイプ別に目盛がついているため、針圧と同じ目盛に合わせてインサイドフォースを調節できます。
BSR独特の自動トーンアームロック機構を搭載しており、トーンアームがアームレストに戻ると自動的にロックされます。
プレイヤーが作動するとロックは自動的に解除されます。
オーバーハング調整機構を搭載しており、6mmの範囲で調整が可能です。
プッシュボタン操作を採用しており、フルオートマチック、リピート、マニュアルなどの動作はボタン式となっています。
前面にはアクセサリーポケットが設けられており、オートチェンジャー用のスピンドルやオーバーハング(ロケーティング)インジケーター、EPアダプターが収納できます。
710Xは本体のみとオプション付きの2種類のバリエーションで販売されました。
オプション付きではキャビネットとダストカバーに加え、ShureのM91EDカートリッジが付属していました。
機種の定格
型式 | レコードプレイヤー |
<本体> | |
モーター | 4極シンクロナスモーター |
回転数調整範囲 | ±3% |
ワウ/フラッター | 0.06%以下/0.03%以下 |
ターンテーブル | 30cmアルミダイカスト製、2.7kg |
ドライブ方式 | 連動カムシステム |
ランブル | 55dB以上(DIN455544) |
アームタイプ | トランスクリプション・トーンアーム |
アームレゾナンス | 7Hz |
最少トラッキングフォース | 1/2g |
針圧調整範囲 | 0~4g |
付属機能 | ACノイズフィルター ミューティングスイッチ マニュアル、セミオート、リピート、オートチェンジャー演奏可能 |
<カートリッジ部> | |
型名 | Shure M91ED |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
出力電圧 | 5mV(5cm/sec、1kHz) |
チャンネルセパレーション | 25dB以上(1kHz) |
直流抵抗 | 630Ω |
入力キャパシタンス | 400~500pF |
インダクタンス | 720mH |
針圧 | 3/4~1 1/2g |
交換針 | N91ED |
<その他> | |
外形寸法 | 幅427x高さ220x奥行385mm |
付属 | オートチェンジャー用スピンドル ストロボ・ディスク(50Hz/60Hz) 針ブラシ オーバーハング(ロケーティング)インジケーター オーバーハング・アダプター・ブラケット オーディオコード EPアダプター |