Aurex SD-77
¥120,000(1977年頃)
解説
ハイパス特性とローパス特性を一つの回路で作り出す演算回路方式を採用したチャンネルデバイダー。
演算回路の方式には2重積分引算型を採用しています。
この方式は測定器の分野などで用いられていた方式で、一つの回路でローパスとハイパスの両特性を同時に作り出す事ができます。しかも得られる変化特性がクロスポイントを中心に左右対称となります。スロープ特性やQ特性を変えてもこの特長は変わらず、電圧の和を常に0dBに保ち、位相のずれもないスムーズなつながりを得ています。
アクティブ素子にはA級DCオペアンプICを採用しています。これにより裸利得が大きくとれ、いわゆるはね返り特性を実用上無視できるまでに抑える事ができ、理想的な減衰特性が得られています。
ミキサー部にはディスクリート構成を採用しており、優れた特性を獲得しています。
遮断特性は6dB/oct、12dB/octの切換えが可能です。
SD-77ではクロスオーバー周波数をきめる演算部が独立しており、周波数は容量とゲインで変化しますが容量を一定値にすることによってゲインコントロールの抵抗値の変化だけで決めることができます。これによりクロスオーバーの連続可変ができます。
ボリュームには22接点のディテントタイプの高精度金属被膜ボリュームを採用しており、高域、低域の各22ポイントの切換えが可能です。
ダンピング特性(Q特性)を変化させることにより、カットオフ周波数近辺の減衰特性を変える事が可能です。
低域、高域の各クロスオーバーポイントの一方だけを利用することにより、2chのデバイダーとしても利用可能です。
低・中・高の各帯域独立のレベルコントロールを搭載しています。
出力段にバッファアンプが設けられています。
保護用抵抗の100Ωがそのまま出力インピーダンスになります。
電源スイッチON/OFF時のクリックノイズ防止のため、動作速度の速いリードリレーを使用しています。
別売りのキャリングハンドルTO-1をとりつけることにより、480mm幅のJIS標準ラックにマウントする事が可能です。
機種の定格
型式 | チャンネルデバイダー |
回路方式 | 2重積分引算形演算回路方式 |
利得 | 0dB |
最大出力 | 6V |
高調波歪(20Hz~20kHz) | 0.003%(1V) |
クロスオーバーポイント(スイッチ切換) | 低域:80、100、125、150、200、250、300、400、500、600、700、800、 900Hz 1.0、1.25、1.5、2、2.5、3、4、5、6kHz 高域:300、400、500,600,700,800,900Hz 1、1.25、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15kHz |
スロープ特性 | 6dB/oct、12dB/oct(スイッチ切換) |
入力インピーダンス | 100kΩ |
SN比 | 100dB(20Hz~20kHz、出力2.0V) |
出力インピーダンス | Hi、MiD、LO/ch:600Ω |
Qの変化 | 1~0.7 |
使用半導体 | IC:8個 FET:8個 トランジスタ:52個 ダイオード:19個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 8W |
外形寸法 | 幅450x高さ93x奥行375mm |
重量 | 5.8kg |
別売 | キャリングハンドル TO-1(¥3,000) |