Audio Research DAC3mkII
¥750,000(1997年頃)
解説
真空管増幅を採用したD/Aコンバーター。
アナログ出力段にはVHF帯の高周波回路用に開発された高信頼双三極管6922を採用しています。
さらに、A級動作のバランスサーキットによってハイスピード伝送を追求しています。
DAC回路にはクリスタルセミコンダクター社のΔ∑方式1ビットディファレンシャルコンバーターを採用しています。
また、2個のボルテージコントロール・クリスタルオシレーターを組み合わせたワイドバンドデュアルPLL回路によって入力データに強力なリロッキングを行い、有害なジッターを排除しています。
サンプリング周波数は44.1kHz、48kHz、32kHzに自動対応しています。
回路構成はオーディオリサーチの最高級プリアンプをベースにしています。
デジタル系から完全に分離された大型トロイダルトランスや高速レギュレーター、独自の定電流源によってバランス回路の安定した動作を実現しており、コモンモードノイズをキャンセルしつつピュアな信号を送り出します。
独立トランスのデジタル系を含め、電源回路には2つのディスクリートレギュレーター、8つのICレギュレーターが投入されています。
シャーシ内部には適切な制振処理が施されており、メカニカルな共振や干渉による音質劣化を低減しています。
デジタル入出力はST高速光リンクとTOSリンクに加え、スイッチ選択のBNC同軸とAES/EBUバランスXLRの合計3系統4端子を搭載しています。さらに、TOSリンクのダイレクト光出力端子も1系統装備しています。
アナログ出力はXLRバランスとRCAアンバランスがそれぞれ1系統で、同時使用も可能です。
フロントパネルのNormal/Invertスイッチにより、絶対位相の切換が随時できます。
電源投入時、約15秒間のオートミュート回路を搭載しています。
金メッキの入出力端子は、抜き差しの際にショックノイズを生じにくい特殊構造を採用しています。
機種の定格
型式 | D/Aコンバーター |
周波数特性 | 0.1Hz~20kHz ±0.2dB |
S/N比 | 90dB以上(聴感補正無し、1Hz~20kHz) |
歪率 | -86dB(0.005%、1kHz) |
チャンネルセパレーション | 120dB(1kHz) |
位相偏差 | ±0.5゜(20Hz~20kHz) |
デジタル入力 | STタイプ光 TOSリンク光 BNC同軸/75Ω(SPDIF)、XLRバランスAES/EBU、※スイッチ選択 |
入力フォーマット | fs:44.1kHz、48kHz、32kHz |
レゾリューション | 18bit(最大) |
DAC | 64倍オーバーサンプリング、デルタ・シグマ1bit |
アナログ出力 | アンバランス:1.55Vrms(+5dBV) バランス:3.00Vrms(+11dBV) |
出力インピーダンス | アンバランス:200Ω バランス:400Ω |
デジタル出力 | TOSリンク光:1系統 |
出力位相切換 | デジタル反転 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 55W最大 |
外形寸法 | 幅480x高さ134x奥行336mm(ハンドル含む) |
重量 | 6.9kg(本体) 12.3kg(梱包時) |
付属 | BNC-RCAジャック変換アダプターx1 |