オーディオの足跡

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GX-73の画像
 解説 

GX-93の技術を継承しつつコストパフォーマンスを高めたカセットデッキ。

GX-73ではGX-93に搭載されたクォーツPLL DDモーターなどが省略されています。

ヘッドには新開発のNewスーパーGXヘッドを採用しています。
このヘッドでは巻線にLC-OFCを採用することで伝送歪を低減しています。これにより特に信号電流レベルが微小な再生ヘッドでは解像力が大きく改善されています。
スーパーGXヘッドのコア材にはアカイ独自の製法によってクリスタル化されたフェライトを使用しており、高透磁率、高い磁気飽和点、残留磁気が少なく帯磁しにくいなどの特性を備えています。ギャップは録音ヘッド4μ、再生ヘッド1μとそれぞれ最適に設定されており、さらに両チャンネルのインライン精度や録再ヘッドギャップ間の平行度を高精度に維持するなど、アカイの高度な加工技術が結集されています。

メカニズム部にはクローズドループ・ダブルキャプスタン方式を採用しています。この方式では2本のキャプスタンとピンチローラーによってテープ走行を厳密にコントロールしており、リールなどからの外乱をシャットアウトすることでワウフラッターを減少させています。また、テープスパンが短くテープの微振動が制御でき、さらにテープテンションが一定なため安定したヘッドタッチが得られるなどの特長を持っています。
クローズドループ・ダブルキャプスタン方式の良さを最大限に生かすため、キャプスタンの軸径をテイクアップ側とサプライ側で差をもたせ、さらにフライホイールの直径を変えることで回転周期の重なりを一掃しています。また、一般にヘッド側面に配置されるテープガイドを分離配置し、さらにテープとの接触面を幅広のアール面とした独特の構造のデュアルワイドテープガイドを採用しています。これによりカセットハーフのばらつきへの対応せいやテープのカール、トラックずれ、ヘッドタッチの不均一、テープの蛇行などの多くの問題を解決しています。

キャプスタン軸の表面には独自の逆電ハードクロームメッキ処理が施されており、テープグリップ力を高めることでスリップ現象をほぼゼロに近づけています。この処理法は耐摩耗性に優れ、初期性能を長期にわたって維持します。

サイレントメカニズムを採用しており、オペレーション指令を行うと静粛に動作をスタートさせます。

電源部は信号系とマイコン制御によるメカニズム系をパワートランスの巻線から分離しており独立電源化を図っています。さらに、マイコン制御系の基板はアースパターンまで分離され、信号系への干渉を遮断することでよりクリアな音質を獲得しています。
また、アンプ回路とノイズリダクション回路の電源を分離し、それぞれ±2電源構成とすることでプロセッサー動作時の非直線信号がアンプ系との相互干渉を引き起こすのを防いでいます。

録再アンプ回路には独自のツインアクティブ電源を採用しており、極めて高速な応答を実現することで安定した電源供給を可能にしています。また、ツインアクティブ電源は広帯域にわたる低出力インピーダンス化を実現しており、低域信号への応答性も改善しています。

録音アンプ部は無帰還プッシュプル構成とし、さらに定電流駆動するドライブ方式を採用しています。
この回路は従来の抵抗によるV-I変換で発生していた高域での位相歪が大幅に減少しており、高域のリニアリティが向上しています。

再生アンプはヘッドとアンプ初段間のカップリングコンデンサーを排した直結入力を採用しています。そして、増幅素子には入力段差動回路をローノイズJ-FETで構成した高入力インピーダンスのデュアルオペアンプを採用しており、低雑音、低歪率の優れた特性を確保しています。さらに、外部位相補償を行うことでツインアクティブ電源の効果ともあいまって高スルーレート、高安定度の動作を実現しています。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/C NRとdbx NRを搭載しています。
ドルビーICには新開発の3ヘッド用ワンチップエンコード/デコードタイプを搭載しており、従来のエンコード/デコード分離タイプで起こりがちだった特性誤差による音質劣化を解消しています。また、このドルビーNRプロセッサーも直結化が図られており、DCアンプ構成となっています。
dbx NRは入力信号を2分の1に対数圧縮して録音し、再生時に2倍に伸長させてダイナミックレンジを復活させる効果を持っています。また、dbx NRはドルビーNRのように録音基準レベルをシビアに調整する必要がないというメリットも持っています。

オーディオ専用のハイグレードパーツを採用することで高音質化を図っています。
トランジスタは増幅系から電源部までFBET(折返し電極トランジスタ)を使用しています。このトランジスタは接合部を複数分割してハイスピード化したもので、従来型と比べて数倍スルーレートに優れ、分解能の向上をもたらしています。
増幅系の補償回路用とイコライザー素子用のコンデンサーには音質的に吟味された銅箔ポリプロピレンコンデンサーや西ドイツERO社製メタライズドポリエステルコンデンサー、マイカコンデンサーなどの高品質パーツを採用しています。
高周波の遮断や高域補償用のコイル類はすべて伝達歪の少ないLC-OFCを使用しており、高域の分解能を改善しています。また、コア材にはCDプレイヤーのローパスフィルターに使われている低歪率コアを採用しています。
電解コンデンサーにはオーディオ専用に特に開発された高純度アルミ箔防振巻線構造のものを全面的に採用しています。この電解コンデンサーには非磁性体塗料が使用されており、磁気的な悪影響を防止しています。
増幅系の負荷抵抗や補償回路などの重要部には精密級の金属皮膜抵抗が使用されており、増幅ゲインや時定数が厳密に管理されています。

好みに合わせてバイアス値を±20%の範囲でコントロールできるマニュアルバイアスコントロール機能を搭載しています。バイアスを浅めにシフトすれば高域が強化され、深めにシフトすれば中低域の充実した音づくりが可能です。
また、消去用のマスターバイアス発振回路とは別に録音専用のスレイブバイアス回路を接地しており、消去電流には変動を与えずに録音バイアスを自由に変化できます。

ディスプレイ部では3way4デジット電子カウンターや-40dB~+12dBの17セグメント2色ピークメーター、録音レベルガイド・インジケーターを搭載しています。

コンピューターサーチ機能を搭載しており、レックキャンセルやイントロスキャン、IPLS(前後1曲の自動頭出し)が可能です。

自動ローディングを行うダイレクトリードインやパワーイジェクト機能を搭載しています。

オートテープセレクターを搭載しており、ローディングされたテープは自動的にテープの種類が検知され、テープに合ったバイアス・イコライザー値がセットされます。

オートモニター機能を搭載しており、録音スタンバイ時はソース側に、録音スタート後はテープ側にモニターポジションが自動的に切り替わります。

筐体構造の高剛性化を測っており、強度の高い底板を採用するとともに外来振動をダンプする大型フットを採用しています。
また、GX-93では側板を配することでデザイン上のグレードを高めながらボディトータルの剛性を高めています。

ノイズリダクションシステムとしてドルビーB-CタイプNRを搭載しています。

巻き戻し後に自動的に再生スタートするオートプレイ機能を搭載しています。

4秒の曲間スペースを作るオートミュート機構を搭載しています。

ライン出力レベルとヘッドホンレベルが調整できるアウトプットボリュームを搭載しています。

タイマースタート機構を搭載しています。

ライン端子に金メッキ端子を採用しています。

極性表示付き電源コードを採用しています。

エアチェック時に混入するパイロット信号をカットするMPXフィルターを搭載しています。

OFCコネクションコードが付属しています。

ブラックとシャンパンゴールドの2色のカラーバリエーションがありました。

機種の定格
型式 ステレオカセットデッキ
ワウ・フラッター 0.025%WRMS(JIS)
±0.04%W.Peak(EIAJ)
周波数特性 20Hz~19kHz ±3dB(ノーマルテープ)
20Hz~20kHz ±3dB(クロームテープ)
20Hz~21kHz ±3dB(メタルテープ)
SN比(EIAJ) 59dB(メタルテープ)
Dolby B on:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善
Dolby C on:500Hzで15dB、1kHz~10kHzで20dB改善
歪率(EIAJ) 0.5%(メタルテープ)
ダイナミックレンジ dbx NRシステム使用時:110dB
ヘッド コンビネーションヘッド
 LC-OFCスーパーGX録音ヘッド
 LC-OFCスーパーGX再生ヘッド
消去ヘッドx2
モーター キャプスタン用:FGサーボDDモーター
リール用:DCモーター
カム駆動用:DCモーター
入力レベル Line:70mV/47kΩ
出力レベル Line:388mV/1kΩ
Headphone:1.3mW(8Ω)/82Ω
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 19W
最大外形寸法 幅440x高さ111x奥行353mm
重量 約6.5kg
付属 コネクションコードx2