AIWA/EXCELIA XD-001
¥188,000(1987年頃)
解説
アイワがエクセリアブランドで発表した世界初のDATデッキ。
4倍オーバーサンプリング方式を採用しており、人間の可聴範囲を遥かに超える192kHzまで引き上げてデジタルフィルターでノイズ成分をカットしています。また、192kHz部分のノイズは位相特性の良いローパスフィルターで排除しており、全帯域にわたって優れた位相特性を実現しています。
D/AコンバーターにはL/Rチャンネルが1チップのデュアル構成となっており、チャンネルセパレーションを改善しています。あえて1チップ構造とすることで左右のチャンネルの電流出力差を0.2dB以内にバランスさせており、チャンネル間誤差を解消しています。
A/Dコンバーターには左右独立構成を採用しています。また、左右の回路間を銅板で遮蔽することで効果を高めています。
電源部は、アナログ系とメカ・デジタル系を独立させた2トランス方式を採用しています。
メカ・デジタル系トランスは4電源構成、アナログ系トランスは2電源構成となっており、トランス回路によるデジタル回路からアナログ回路へのノイズ回り込みを抑えています。
メカニズム部には水平ローディング方式を採用しており、DDモーターを4基使用した構成となっています。DDモーターはドラムに1基、キャプスタンに1基、リールに2基使用されています。
さらに、メカニズム部のシャーシをベンドレス化することでシャーシ本体の歪をなくし、水平度を保っています。
各部干渉や共振を排除するため、シャーシ構造は高剛性二重構造とし、さらに銅メッキを施すことによりノイズを抑えています。特にアナログ回路は分離され、銅メッキビスなどで徹底して銅メッキ化が施されており、さらなる高音質化を図っています。
超硬性構造のインシュレーターを採用することで、外部振動を低減しています。
多機能電子カウンターを搭載しており、スイッチの切換えにより、リニアカウンター、リメイニングタイム、プログラムタイムを表示できます。また、電子カウンターの表示時間は回転数検出表示方式のため、若干の誤差があります。
DATデッキならではのサブコード機能を搭載しています。XD-001ではスタートID、プログラム・ナンバー、スキップIDに対応しています。
アナログ入力の録音時に、ボリューム回路による音質劣化を防ぐため、回路全体をアルミダイキャストでカバーリングしています。これにより振動防止を図っています。
ACコードからのノイズ混入をガードするACラインノイズフィルターを搭載しています。
電源コードにはOFC(無酸素銅)を採用しており、コードの自己インダクタンスを軽減化することで音質改善を図っています。
また、極性表示が付いています。
オーディオ部の主要回路には全てFOCワイヤーを使用しています。さらに、金メッキピンジャックをはじめ、構成パーツの1点1点にオーディオ専用に開発された高性能部品を採用しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | DATデッキ |
テープ | DAT |
テープスピード | 8.15mm/s |
録音時間 | 120分連続(DT-120にて) |
ヘッド | 回転ヘッド |
トラックピッチ | 13.6μm(20.4μm) |
サンプリング周波数 | 48kHz、44.1kHz(再生のみ)、32kHz |
量子化 | 16bit直線 |
変調方式 | 8-10変換 |
エラー訂正方式 | ダブルリードソロモン |
チャンネル数 | 2チャンネルステレオ |
周波数特性 | 2Hz~22kHz ±0.5dB |
SN比 | 92dB以上 |
ダイナミックレンジ | 90dB以上 |
全高調波歪率 | 0.005%以下(1kHz) |
ワウ・フラッター | 測定限界(±0.001%W.peak)以下 |
基準入力レベル/インピーダンス | Line in1、2:0.25V/50kΩ(ピンジャック) Digital:0.5Vp-p/75Ω(ピンジャック) Sync:3ピン |
規定出力レベル/インピーダンス /負荷インピーダンス |
Line out:0.25V/470Ω/10kΩ以上(ピンジャック) Phones:150Ω/32Ω(ステレオ標準ジャック) Digital out:0.5Vp-p/75Ω/75Ω(ピンジャック) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 35W |
最大外形寸法 | 幅430x高さ116.5x奥行421mm |
重量 | 11.7kg |
付属 | ピンケーブルx2 リモートコントローラー RC-D001 |