AIWA AD-F600
¥69,800(1980年頃)
解説
スタビライズドテンション・デュアルキャプスタンやドルビーHXなどの新技術を投入したカセットデッキ。
ヘッド部には、録音・再生・消去をそれぞれ専用のヘッドで行う3ヘッド方式を採用しています。これにより特性の工場だけでなく、録音時には再生信号を同時モニターでき、適正バイアスの設定や使用テープの飽和レベルの確認を容易にしています。
また、ガード部にセンダスト、コアスペーサーに硬質の複合素材を用いた特殊構造のコンビネーションDXヘッドを採用することで耐磨耗特性を向上させています。さらに、コアを6枚の多層ラミネートとすることで渦電流損失を少なくしています。
メカニズム部には新開発のスタビライズドテンション・デュアルキャプスタン駆動方式を採用しています。
デュアルキャプスタンは2組のキャプスタンとピンチローラーでテープを駆動する方式ですが、AD-F600ではテイクアップ側に独自のマイクログレインプロセシングによる特殊な表面処理を施したキャプスタンを採用しており、キャプスタンとテープの間で起こるスリップを低減しています。さらに、テイクアップリール軸のトルク変動や振動など、他の駆動系からもたらされる悪影響を遮断してます。
また、キャプスタン用にはFGサーボモーター、リール用にはDCモーターを採用することで優れた特性を獲得しています。
ヘッドを帯磁から守るためADMS(Automatic Demagnetizing System)を搭載しています。
ADMSでは、デッキ内の消去発振器の高周波電流をヘッドに流し、一定時間後(約1.5秒)に自動的に減衰させてゼロにし、全てのヘッドの消磁を行っています。
ドルビーHXシステムを搭載しており、入力信号の成分によりバイアス及び録音イコライザーを自動的に変化させ、高域のダイナミックレンジを改善しています。
また、AD-F600では消去ヘッドに専用の発振器を設け、ドルビーHXの可変バイアスとは無関係に最適の消去電流が流れるように設計されています。
種類の多いLHテープ用にバイアス微調整機構を搭載しています。
ICロジックコントロール方式を採用しています。
自動テープたるみ除去機構を搭載しています。
バック照明付きVUメーターと5点ピークインジケーターを搭載しています。
メタルポジション付き3段テープセレクターを搭載しています。
タイマースタンバイメカを搭載しており、別売りタイマーを組合わせることで留守録音や目覚まし再生が可能です。
オートリピート機能を搭載しています。
MPXフィルターON/OFFスイッチを搭載しています。
リモートコントロール端子を搭載しており、別売りのリモコンユニットを接続できます。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
モーター | キャプスタン用:FGサーボモーター リール用:DCモーター |
ヘッド | 録音、再生:コンビネーションDXヘッド 消去:Hi-Bsダブルギャップセンダストヘッド |
ワウフラッター | 0.029%(WRMS) |
周波数特性 (-20VU録音/0VU録音) |
LHテープ:20Hz~17kHz CrO2:20Hz~19kHz/30Hz~8kHz +2 -3dB Metal:20Hz~20kHz/30Hz~12.5kHz +2 -3dB |
SN比(ピークレベル) | 68dB(Dolby NR on、Metalテープ) 53dB(Dolby NR off、LHテープ) |
歪率 | 0.8%(Metalテープ) |
入力感度/インピーダンス | Line:50mV/50kΩ以上 Mic:0.3mV/200Ω~10kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line:0.55V/50kΩ以上 Headphone:0.8mW/8Ω |
早送り巻戻し時間 | 70秒(C-60) |
オートストップ機構 | 純電子式フルオートストップ |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 18W |
外形寸法 | 幅420x高さ109x奥行285mm |
重量 | 5.3kg |
別売 | リモートコントロールユニット RC-11(¥5,000) |