AIWA AD-5700
¥84,800(1976年頃)
解説
アイワのカセットデッキ技術を結集して開発されたステレオカセットデッキ。
フライホイールには、直径104mm、重量448gのものを採用しており、慣性エネルギーは5090g・cmとなっています。さらに、上下、両方向からのダイナミックバランスをとる事で、優れたワウフラッター特性を実現しています。
キャプスタンには真円度誤差0.05ミクロンの高精度のものを採用しています。
ドルビー回路、バイアス発振回路、増幅回路の全てに安定化電源を採用することで、電気的安定度を高めています。
センター駆動方式のリール軸を採用しており、テープ走行中はカセットのハブが常に中心に保持されています。これによりカセットハーフ内部の余分な摩擦やガタが減少し、安定したテープ走行を実現しています。
録音、再生時には必要最低限の機構のみを回転させる設計となっており、不必要にワウフラッターを増加させる要素を排除しています。
ベルトには伝達ロスの少ない高精度仕上げの平ベルトを採用しています。
ピンチローラーホルダー軸をメインシャーシに固定した構造となっており、ピンチローラーとキャプスタンとの平行度を正確に保ち、常に安定したテープ走行を実現しています。
ノイズリダクションシステムとして、録音/再生でSN比を向上するドルビーシステムと、再生時だけの操作でSN比を2~3dB改善するDNL(Dynamic
Noise Limiter)を搭載しています。
それぞれ単独の動作も可能ですが、併用することでさらなるSN比の改善が可能です。
+3dBと+7dBの2段階で点灯する2ステップ・ピークインジケーターを搭載しており、VUメーターで追従できないパルシブな信号に対して歪レベルを指示します。
テープセレクターはバイアスとイコライザーが独立した3段切換え方式を採用しています。
さらに、検出孔付きのCrO2テープを使用した場合には、自動的にバイアスとイコライザーがセットされます。
ヘッドには、コア部とガード部の全てに耐磨耗性の優れた超硬質フェライトを用いたFGヘッドを採用しています。
また、ヘッドは4点で支持されており、前後左右の傾きが起きないよう精密に調整されています。
ホールICを使用した振るオートストップメカニズムを採用しています。
メモリーカウンターを搭載しています。
クイックレビュー・キューの頭出し機構を搭載しています。
オイルダンプ式かセットアップ機構を搭載しています。
テープ照明ランプやテープカウンター照明ランプを搭載しています。
カセット蓋オープンボタンを搭載しています。
テープランニングインジケーターにはLEDを採用しています。
MPXフィルタースイッチを搭載しています。
マイク/ライン独立入力機構を搭載しています。
Record、Dolby NR、DNL、CrO2の表示ランプを搭載しています。
フリーストップ式のダストカバーを装備しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック方式 | 4トラック2チャンネル |
周波数特性 | LHテープ:30Hz~14kHz FeCrテープ:30Hz~18kHz CrO2テープ:30Hz~17kHz |
SN比(ピークレベル) | 68dB(Dolby NR on、FeCrテープ) |
ワウフラッター | 0.055%(WRMS) |
テープ速度 | 4.8cm/s |
早送り、巻戻し時間 | 95秒(C-60) |
録音方式 | ACバイアス |
消去方式 | AC消去 |
入力感度/インピーダンス | Line:50mV/50kΩ以上 Din:0.1mV/kΩ(3kΩ) Mic:0.25mV/200Ω~10kΩ適合 |
出力レベル/インピーダンス | Line:0.775V/50kΩ以上適合 Din:0.775V/50kΩ以上適合 ヘッドホン:8Ω |
使用半導体 | IC:1個 FET:2個 トランジスタ:59個 ダイオード:41個 LED:3個 |
電源 | AC100V、50Hzまたは60Hz |
消費電力 | 17W |
外形寸法 | 幅419x高さ152x奥行295mm (ダストカバー含む) |
重量 | 6.5kg(ダストカバー含む) |
付属 | ヘッドクリーニング棒 接続コード |