オーディオの足跡

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P-102の画像
 解説 

全段プッシュプル完全バランス方式を採用したA級ステレオパワーアンプ。

バランス伝送を入力から出力までの全系に適用しており、質の高いパワー伝送を可能にしています。
バランス伝送方式では、プラス信号とマイナス信号それぞれに専用の伝送系を搭載し、原理的に外部雑音をキャンセルすると同時に、アンプで発生する歪もキャンセルされるため、純粋な信号成分を取り出す事が出来ます。

A級ドライブ方式を採用しており、入力ステージと出力段をA級動作させています。
出力段にはコレクター損失Pc=80Wの高帯域電力増幅用トランジスタをパラレル・プッシュプルで構成しており、片側のユニットアンプのPcは合計320Wとなり、余裕のある出力段を実現しています。
また、余裕を持たせることで低インピーダンス負荷にも十分に耐え得る出力段とし、プリドライブ段にはアキュフェーズのオリジナル方式であるパワーMOS FETドライブを採用することで、理想的なドライブを図っています。

入力段には、A級カスコード差動プッシュプルを採用しています。
カスコード回路は、高周波増幅用として使われる回路のため、広い周波数帯域にわたって動作が安定で、入力のリニアリティがよく、広いダイナミックレンジを確保しています。

電源部は左右を完全に独立させ、完全モノフォニック・アンプ2台によるツイン・モノ構成を採用しています。
これにより左右の相互干渉を排除しています。

入力には直結方式を採用しています。
DCドリフトの大きいプリアンプ等を接続した際に、それが増幅してスピーカーにダメージを与えるのを防ぐため、アキュフェーズオリジナルのDCサーボ方式を採用し、直流をカットすると共に温度変化によるアンプ自体のDCドリフトも安定化させています。

入力にはバランス入力とアンバランス入力を搭載しています。

アナログ式大型メーターを搭載しており、出力計はdBと出力ワットを直読できる指針式メーターでピーク値を指示します。対数圧縮のため広いパワーレンジを直読できます。
また、メーターの作動と証明を切るスイッチも内蔵しています。

ゴールド調スクラッチヘアラインのパネル仕上げに天然パーシモンのサイドボードを取り付けたデザインとなっています。

機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
定格出力(両ch動作、
20Hz~20kHz、歪率0.02%)
2Ω負荷:70W/ch
4Ω負荷:80W/ch
8Ω負荷:50W/ch
16Ω負荷:25W/ch
全高調波歪率
(20Hz~20kHz、両ch動作)
2~4Ω負荷:0.02%
8~16Ω負荷:0.01%
IM歪率 0.003%
周波数特性
連続平均出力時 ボリューム最大:20Hz~20kHz +0 -0.2dB
1W出力時 ボリューム最大:0.5Hz~200kHz +0 -3.0dB
ボリューム-6dB:0.5Hz~80kHz +0 -3.0dB
利得 28.0dB
負荷インピーダンス 2Ω~16Ω
ダンピングファクター 70
入力感度(8Ω負荷) 連続平均出力時:0.8V
1W出力時:0.11V
入力インピーダンス 平衡:40kΩ
不平衡:20kΩ
S/N比(A-補正)
入力ショート、連続平均出力時 平衡入力:120dB
不平衡入力:112dB
入力1kΩ、1W出力時 平衡入力:100db
不平衡入力:96dB
出力メーター 対数圧縮型、-40dB~+3dB及び出力直読目盛
使用半導体 トランジスタ:81個
FET:16個
IC:8個
ダイオード:89個
電源 100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz
消費電力 無入力時:245W
電気用品取締法:255W
8Ω負荷定格出力時:300W
外形寸法 幅475x高さ170x奥行408mm
重量 22kg