オーディオの足跡

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DC-330の画像
 解説 

DC-300をベースにして操作性を考慮したデザインに一新し、最新デジタル技術を結集し全回路をSACDなどの新世代デジタル・フォーマットに適応できる性能にアップグレードを図ったデジタルプリアンプ。

DC-330の全てのオプションスロットには、SACDのビット・ストリーム出力2.8224MHz/1bitや192kHz/24bitなど、新世代フォーマットのデジタル信号を入力することが可能です。入力した信号からウルトラ・ジッターフリーPLL回路により、パルス伝送歪やジッターの無い、高精度な基準信号(マスタークロック)を抽出します。
機器内部のフォーマットに変換された入力信号は、超高速DSP(Digital Signal Processor)に入り、トーンコントロール、コンペンセーター、モノフォニック、位相切替などの音質調整機能をデジタル演算処理します。
音質を左右するD/Aコンバーターとの間は、超高速アイソレーテッド・デジタル・カプラーによって、DSPなどで構成されたデジタル部とD/Aコンバーター以降のアナログ部を電気的に完全に分離しています。その後、デジタル・ボリューム、バランス、アッテネーター処理を行い、新開発MDS方式D/Aコンバーターによりアナログ信号に変換しています。
アナログに変換した信号は、位相特性に優れたリニア・フェーズ型の3次のアナログフィルターで不要なデジタル成分をカットし、バランス/アンバランスの2系統で出力しています。

D/A変換部には、⊿Σ型D/Aコンバーターを複数個並列接続することで大幅な性能改善を図った、新開発のMDS(マルチプル⊿Σ)方式D/Aコンバーターを搭載しています。
⊿Σ型D/Aコンバーターとは、オーバーサンプリングとノイズシェーピングを利用し、入力されたデジタル信号の振幅情報を時間軸方向に展開して変換精度を得るD/A変換方式です。MDSではこれを複数個並列し各コンバーターに全て同一のデジタル信号を入力、各コンバーターの出力を加算して全体の出力としています。
DC-330では、6個の⊿Σ型D/Aコンバーターを並列動作させているため、コンバーター1回路の場合に比較し、全体の性能は2.45(=√6)倍に向上しています。
MDS方式の特長は、信号周波数や信号レベルに関係なく全ての周波数、全ての信号レベルで性能を向上させることが可能な点で、従来の⊿Σ型D/Aコンバーターで解消の難しかった出力信号にまとわりつく微小レベルの雑音を低減することができています。

ボリュームには、アナログ的な操作感を可能にした独自のボリューム・コントロールを採用しています。
放射状にスリットが切られたディスクが大型ノブのシャフトに取付けられており、ディスクが位相検出器を通過することによってパルスを発生し、このパルスをマイコンに入力しボリュームを調整しています。
ボリュームの一はレベル数値の表示とノブの外周に配置したLEDの点灯により確認ができます。

超高域のイメージ・ノイズを除去するためのアナログ・フィルターには、位相特性に優れた3次のリニア・フェーズ型フィルターを採用しています。
このフィルター回路は、カットオフ周波数の最適化により通過帯域内の位相の回転を最小に抑え、厳選された素子を使用することで、音質改善を図っています。

D/Aコンバーター部には、テフロン基板(ガラス布フッ素樹脂)によるプリント基板を採用しています。
テフロンは、誘電率が低い(高伝播速度)、漏れ電流が非常に少ない(低損失)、耐熱性や高周波特性が優れている等の特長を持っています。このテフロン基材をオーディオ回路に使用することにより、信号のよりピュアな伝送が可能となり、聴感上のSN比をさらに改善しています。
また、DC-330ではさらに銅箔面に金プレートを施し、音質の向上を図っています。

DAI信号に同期させてD/Aコンバーターを動作さえるため、PLL(Phase Locked Loop)回路によりシステムの基準となるマスタークロックを抽出しています。
ここには、ウルトラジッターフリーPLL回路を採用しており、プリアンブル信号(LR信号の先頭を示すマーカー)検出回路とVCO(Voltage Controlled Oscillator)に水晶振動子を採用しています。この回路で抽出したマスタークロックは、ジッターやパルス伝送歪の影響を受けません。

デジタル部とアナログ部を完全に分離するため、80Mbpsの伝送能力を持つ高速アイソレーテッド・デジタル・カプラーを採用しています。超高速伝送特性によりデジタル信号が雑音を伴わずにアナログ部に伝送され、音質改善に寄与しています。

超高速DSPによるトーンコントロールとコンペンセーターを搭載しています。
DSPによるデジタル処理では、回路インピーダンスを変化させることなく、周波数だけを変化させることが可能なため、信号劣化も無く、音質変化のない音場コントロールが可能です。

入力セレクターを回すと、機器の接続端子をディスプレイに文字表示します。その入力端子を好みの名称に変更できる機能を搭載しています。
あらかじめ登録してある、SACD、DVD、CD、MDなどに変更したり、96種類の文字・記号の中から8文字を組み合わせて、独自の名称を作る事も可能です。

アナログ出力は、グランドからフローティングされた完全バランス回路で構成しています。
また出力端子は、バランス用XLRタイプコネクターとアンバランス用RCAタイプコネクターを各2系統搭載しています。

DC-330の入力や録音出力は、全てオプションボードで対応しています。このため、SACDなどの新世代フォーマットに対応している、ADB2インターフェース規格のポートを持ったオプションスロットを搭載しています。
HS-Link入力ボードを増設してHS-Linkケーブルで接続することで、DP-100やDP-85のSACDデジタル出力を入力することが可能です。
デジタル入出力は、オプティカル、同軸を持つオプションボード(DIO-OC1)を標準装備しています。さらに増設オプションでBNC、HPCオプティカル(ST)、HPCバランス入力が可能です。
96kHz/24bit対応の高精度⊿ΣA/Dコンバーターを持つアナログ・ライン入力ボード(AI2-U1)を標準装備しています。
デジタル・ヴォイシング・イコライザーDG-28/DG-38を接続できる、「EXT DSPオプションボード」増設スロットを装備しています。
デジタルチャンネルディバイダーDF-35を接続してデジタルボリュームコントロールが可能なOutputsオプション・ボード増設スロットを装備しています。

機種の定格
型式 デジタルプリアンプ
入力フォーマット
(EIAJ CP-1201に準拠)
量子化数:16bit~24bit直線
サンプリング周波数:32kHz、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz
(各16~24bit 2ch PCM)

※オプションボードに対応
176.4kHz、192kHz(各24bit 2ch PCM)
2.8224MHz(1bit 2ch DSD)
デジタル入力フォーマット・レベル
(EIAJ CP-1201)
フォーマット:Digital Audio Interface
Optical:光入力 -27dBm~-15dBm
Coaxial:0.5Vp-p/75Ω
(オプションボード対応による)
デジタル出力フォーマット・レベル
(EIAJ CP-1201)
フォーマット:Digital Audio Interface
Optical:光出力 -21dBm~-15dBm、発光波長 660nm
Coaxial:0.5Vp-p/75Ω
(オプションボード対応による)
周波数特性 0.5Hz~50kHz +0 -3dB
D/Aコンバーター 24bit MDS方式
全高調波歪率 0.0006%(20Hz~20kHz)
S/N 120dB
ダイナミックレンジ 112dB(24bit入力、LPF:off)
チャンネルセパレーション 108dB(20Hz~20kHz)
出力電圧/インピーダンス Balanced:5V/50Ω、平衡XLRタイプ
Unbalanced:5V/50Ω、RCAフォノジャック
ボリューム・コントロール 速度感知回転方式
Linearモード:-∞、0.5~99.5(0.5ステップ)、Max
dBモード:-∞、-94.0dB~+12.0dB
バランスコントロール(DSP) 左右の差:-∞、-4~0dB(1dBステップ)
トーン・コントロール(DSP) Bass(315Hz):±5dB(50Hz)、1dBステップ
Treble(3.15kHz):±5dB(20kHz)、1dBステップ
コンペンセーター(DSP) 1:+3dB(100Hz)
2:+6dB(100Hz)
3:+6dB(100Hz)、+3dB(20kHz)
4:+9dB(100Hz)
5:+9dB(100Hz)、+6dB(20kHz)
アッテネーター(DSP) -20dB
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 25W
最大外形寸法 幅475x高さ150x奥行412mm
重量 20.2kg
付属 ライン入力ボード AI2-U1
デジタル入出力ボード DIO-OC1
リモート・コマンダー RC-24
AC電源コード(2m)
プラグ付オーディオ・ケーブル(1m)
75Ω同軸ケーブル(DL-15)
別売:オプションボード
デジタル関係
DI-BNC1の画像 HPCコアキシャル入力ボード DI-BNC1(¥30,000)
75ΩのBNCコネクター付同軸ケーブルを接続可能です。
サンプリング周波数:96kHz/24bit
デジタル入力:0.5Vp-p/75Ω

※1スロット使用
 
DIO-OC1の画像 デジタル入出力ボード DIO-OC1(¥40,000)
同軸・光ファイバーの入出力端子を搭載したオプションボード。
サンプリング周波数:96kHz/24bit

※Option7のスロットに標準搭載
※1スロット使用 
画像無し HPCオプティカル入出力ボード DIO-ST1(¥50,000)
STタイプの光リンク入出力コネクターを搭載したオプションボード。
サンプリング周波数:96kHz/24bit

※1スロット使用
 
DIO-PRO1の画像 AES/EBU入出力ボード DIO-PRO1(¥60,000)
AES/EBU(業務用デジタル規格)に対応した入出力XLRコネクターを搭載したオプションボード。
サンプリング周波数 入力:96kHz/24bit
出力:48kHz/24bit

※2スロット使用
DI2-HS1の画像 HS-Link入力ボード DI2-HS1(¥100,000)
HS-Linkインターフェースでデジタル信号を伝送する入力ボード。
DP-100やDP-85のSACD/CDデジタル信号をHS-Linkケーブルで入力可能です。

※2スロット使用 
DO2-HS1の画像 HS-Link出力ボード DO2-HS1(¥80,000)
このボードを増設することにより、DP-100やDP-85のデジタル信号がDC-330を経由して、DF-35までデジタル伝送可能になります。
HS-Linkケーブルで接続します。

※1スロット使用 
DIO2-DG1の画像 DG-28用広帯域デジタル入出力ボード DIO2-DG1(¥100,000)
DC-330のEXT DSPスロットに増設してDG-28と接続することで、SACDなどサンプリング周波数48kHzを超えるデジタル信号をDG-28に入力して音場補正できるようになります。
75Ω同軸デジタルケーブルで接続

※2スロット使用 

アナログ関係
 アナログ入力は、ボード内のA/Dコンバーターでデジタル信号に変換されます。
 出力はボード内のD/Aコンバーターによってアナログ信号に変換されます。
画像無し ライン入力ボード AI2-U1(¥60,000)
アンバランス接続用のハイレベル(アナログ信号)入力端子を搭載しています。
サンプリング周波数:48/96kHzの切替が可能です。

※Option8のスロットに標準搭載
※1スロット使用
 
画像無し バランス入力ボード AI2-B1(¥70,000)
バランス接続用のハイレベル(アナログ信号)入力端子を搭載しています。
サンプリング周波数:48/96kHzの切替が可能です。

※2スロット使用
 
画像無し ライン出力ボード AO2-U1(¥80,000)
アンバランス接続によるアナログ録音用出力端子。
DC-330に増設した場合は、サンプリング周波数96kHzまでの対応となります。
また、HS-Linkで入力した信号は、AO2-U1から出力しません。

※2スロット使用
 
画像無し バランス出力ボード AO2-B1(¥80,000)
バランス接続によるアナログ録音用出力端子。
DC-330に増設した場合は、サンプリング周波数96kHzまでの対応となります。
また、HS-Linkで入力した信号は、AO2-B1から出力しません。

※2スロット使用
  
AI-AD1の画像 アナログディスク入力ボード AI-AD1(¥100,000)
アナログレコード再生用のハイゲインイコライザーと搭載したオプションボード。
MM/MC対応(ゲイン:MM30dB、MC60dB)
サンプリング周波数:48kHz

※2スロット使用 
AIO-U1の画像 ライン入出力ボード AIO-U1(¥60,000)
アンバランス接続用の、アナログ録音・再生端子。
サンプリング周波数:48kHz

※1スロット使用